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» 2012年10月04日 10時00分 UPDATE

Oracle OpenWorld San Francisco 2012 Report:ギターを壊した航空会社に学べ? 優れた顧客体験こそが唯一の差別化要素に (1/2)

OpenWorldを開催中のOracleは、街のシンボルでもあるユニオンスクエアとそれに隣接するホテルで「Oracle Customer Experience Summit」を開催し、同社の顧客体験ソリューションを売り込んだ。

[浅井英二,ITmedia]
union01.jpg ユニオンスクエアでは最新テクノロジーを活用したショッピングの未来を体験できる。後ろは「Oracle Customer Experience Summit」の会場となったウェスティンホテル

 米国時間の10月3日、Oracleの年次カンファレンス、「Oracle OpenWorld San Francisco 2012」はラリー・エリソンCEOの基調講演を終えたせいか、サンフランシスコも普段の顔を取り戻しつつあるが、ユニオンスクエアは赤く染まった「Oracleスクエア」のままだ。モスコーニセンターでは収まりきらなくなったOracle OpenWorldは、街のシンボルでもあるこの広場にも真っ赤なテントを張り、向かいに建つウェスティンホテルで「Oracle Customer Experience Summit」を開催した。

 Customer Experience Summitは、より良い「顧客体験」によってビジネスを成功に導く同社のソリューション、Oracle Customer Experience(Oracle CX)に焦点を当てたカンファレンス。今年初めてOracle OpenWorldに併せて開催された。

コモディティー化と厄介なソーシャルメディアの浸透

 今や市場にはモノがあふれ、消費者の価値観も多様化している。20世紀型の大量生産・大量消費時代はとうに終わり、三種の神器(白黒テレビ、洗濯機、冷蔵庫)や新三種の神器(カラーテレビ、クーラー、自動車)はもはや遠い過去の話だ。消費者は「生活者」と呼び名が変わり、「品質」や「機能」といった商品そのものの価値ではなく、購入から所有に至るライフサイクル全体の経験から得られる価値を重視し始めている。

 これまでにもCRMの分野では、「マルチチャネルの統合」がしばしば喧伝されてきた。店舗、コールセンター、Web、モバイルで顧客に対応する組織・プロセスがばらばらで情報も共有されていなければ、顧客の本当の姿を把握できないし、満足度を高めることも難しい。クレームの処理に手間取れば、顧客はすぐに離反しかねない。

 企業からすれば、ソーシャルメディアの浸透も厄介だ。生活者の気持ちが瞬く間に伝播する地球規模の新しいインフラの出現は、効果の高い新たなマーケティング手法を生み出す一方、商品や企業への不満が広まれば、長年築いたブランドもあっと言う間に失墜しかねない。

hard02.jpg Oracleのハード社長

 この日が初日となったCustomer Experience Summitのジェネラルセッションでマーク・ハード社長は、手荒な荷物の扱いでギターを壊されたミュージシャンのデイブ・キャロル氏が、航空会社の無責任さを歌(United Breaks Guitars)にしてYouTubeにアップロードした3年前の出来事を引き合いに出し、「これまで1200万回以上視聴され、ブランドへの損害は計り知れない」と話した。

 この大ヒット(?)に慌てた航空会社は、キャロル氏に謝罪し、賠償したが、この話にはまだ後日談がある。何と彼はクレーム投稿サイト「Gripevine」を起業、カスタマーサービスの体験を改善したい企業を顧客としているという。

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