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» 2012年11月29日 18時29分 UPDATE

MSがWindows 8の企業向け施策を発表、「7」との共存も推奨

マイクロソフトは、パートナー企業37社とWindows 8の企業導入を支援する「検証ラボ」を開設。サポート期限の迫るWindows XPからの移行を促進させたい考えだ。

[ITmedia]

 日本マイクロソフトは11月29日、Windows 8の企業導入を支援する「Windows 8 アプリ検証ラボ」を東京・大手町のテクノロジーセンターに開設した。37社のパートナー企業が協力し、業務アプリケーションのWindows 8への対応検証と、タブレット端末やWindow RTなどPC以外のデバイスにおける活用検証を行う。

 Windows 8 アプリ検証ラボにはデバイスメーカーやアプリケーションベンダー、システム構築サービスなどのパートナー企業が参画。ユーザー企業向けに提供するWindows 8での業務アプリケーションについて、新規デバイスによるユーザー体験の効果や既存システムからの移行、サーバ連携などについての検証環境や技術支援を提供する。開設期間は2013年3月末まで。同社はタブレット端末によるWindows 8の導入として40のプロジェクトでの利用を見込む。

tkms001.jpgtkms002.jpg Windows 8 アプリ検証ラボの概要

「8」の法人展開は「7」以上に早く

 記者会見した業務執行役員 Windows本部長の藤本恭史氏は、Windows 8の法人市場向け施策についても説明した。既にNTTドコモと共同でWindows 8のタブレット端末とLTEサービスを組み合わせたソリューション販売をスタートしているが、3社から合計で3000台以上の導入を受注。さらに、70社以上の企業と導入を前提にした商談が進んでいることを明らかにした。

tkms004.jpg 11月1日に発表したNTTドコモとの施策では1カ月で3件の大型案件を獲得

 アプリケーションの対応状況は、11月現在で1102種類のデスクトップ向けアプリが互換性検証を終えており、94種類が認定を取得済み。「Windows 7リリース時よりも2.7倍も多い」(藤本氏)という。また、ARM CPUベースのデバイスで動作するWindows RT向けではインフォテリアやSCSK、シトリックスなど11社のパートナー企業が対応アプリケーションの提供および開発を行っている。

 また、16の企業や組織がWindows 8の早期導入を表明。KDDIでは通常業務の端末としてWindows 8の導入を準備中、三菱電機インフォメーションテクノロジーではシステムエンジニアが持ち運ぶ端末としてWindows 8タブレットを採用した。国立保健医療科学院では保健士が外出先での情報の共有や入力にタブレット端末を利用する予定だという。藤本氏は「早期導入される企業や組織のニーズは多岐にわたるが、これらに対応していける柔軟性の高さもWindows 8の特徴」と話した。

tkms003.jpg Windows 8を早期導入するユーザー

 会見には米Microsoft Windows ビジネスグループ コマーシャル担当シニアディレクターのアーウィン・ヴィッサー氏も登壇して海外ユーザー企業でのWindows 8への対応状況を説明した。同氏によれば、さまざまな業種でWindows 8のモダンUIを活用した業務アプリケーションが既に運用されているという。

 例えば、英国の鉄道会社は利用区間の運行状況を知らせるWindows 8アプリを利用者向けに提供。モダンUIからすぐに検索して利用できる操作性が特徴という。スカンジナビア航空では乗客に観光ガイドを行うためのマニュアルアプリを乗務員に展開する。米大手銀行のBank of Americaでは口座情報や取引明細を確認できるアプリを顧客に向けに提供するほか、21世紀FOXでは同社が制作する映画やドラマを海外のバイヤーや放送局向けに紹介するアプリを開発した。

tkms006.jpg Bank of AmericaのWindows 8アプリ

 ヴィッサー氏は、法人におけるWindows 8の利用メリットについて「セキュリティやコンプライアンスなど企業ユースを満たす堅牢性を備えつつ、モビリティやスワイプ操作、タブレットなどによる新たなユーザー体験を提供できる点にある」と語った。

tkms005.jpg アーウィン・ヴィッサー氏

 例えば、モビリティの面ではWindows 8のOSイメージをUSBメモリなどに保存して外部のPCで実行できる「Windows To Go」が代表的であり、個人の情報端末を業務利用する「BYOD」といった用途に向くとしている。「会社のPCを使わなくとも、自宅のPCで会社のデスクトップ環境を実行できるようになる」(ヴィッサー氏)。セキュリティ面では従来のWindowsで物理的なスマートカードを用いた認証機能を強化し、TPMチップにスマートカードの認証情報を格納する「仮想スマートカード」を搭載。軽量・薄型のタブレットではカードリーダ装置などの内蔵が難しいことから、この機能がユーザー認証の堅牢性を確保するという。

 なお、企業のクライアント環境をめぐっては2014年4月に延長サポートが期限を迎えるWindows XPから新環境への移行が課題になっている。調査データにもよるが、企業のクライアント環境の約半数はいまだXPが利用されているといわれる。ここ1年半ほどでWindows 7へ移行する企業が増えつつあるが、Windows 8の導入には消極的か様子見という企業が少なくない。

 この点についてヴィッサー氏は、「Windows 8ではWindows 7との互換性を十分に考慮しており、デスクトップアプリや管理基盤を双方で利用していける。XPからの移行はWindows 7と8の両方を検討してほしい」と話した。ただし、Windows RT端末ではActive Directoryを利用できないなど、企業利用で留意すべき点も幾つか存在する。モバイルワーカーにはWindows 8のタブレット端末、オフィスワーカーにはWindows 7のPCといった具合に、ヴィッサー氏は利用シーンに応じて最適なユーザー体験を実現する環境を検討してほしいとした。

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