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» 2012年12月20日 08時00分 UPDATE

松岡功のThink Management:意識調査にみるビジネスパーソンの本音

今回は、クレイア・コンサルティングが先頃発表したビジネスパーソンの意識調査結果から、職場での閉塞感や転職意向に焦点を当ててみたい。

[松岡功,ITmedia]

4割の社員が感じている職場での閉塞感

 組織・人事コンサルティングサービスを展開するクレイア・コンサルティングが先頃、ビジネスパーソンの意識調査結果を発表した。職場での閉塞感や転職意向について聞いたもので、日本で働く正社員1000人が回答した。調査は今年6月にインターネットを通じて実施し、2010年8月に行った同じ調査の結果とも比較している。

 同社によると、社会全体に閉塞感が蔓延する事態が続いている中で、2年前の前回調査を踏襲しながら、「企業の内部において、依然として閉塞感が蔓延し悪化しているのではないか」「転職意向もさらに高まっているのではないか」といった問題意識に立脚し、企業組織の実態を洗い出すべく調査を行ったという。

 その結果、社内で閉塞感を感じている人の割合は40.2%に達した。前回調査と比べると3.1ポイント高くなっており、会社や仕事における閉塞感がこの2年間でより深まっている状況が明らかになった。また、閉塞感を感じないと答えた人も前回の24.5%から今回20.2%へと4.3ポイント減っており、この点からも閉塞感が深まってきていることが見て取れる。

 今の会社や仕事に閉塞感を感じると回答した人に対して閉塞感を感じる理由を聞いたところ、半数以上が先行きの不透明感を最も大きな理由として挙げている。(図参照)

 閉塞感を感じる理由(複数回答、クレイア・コンサルティング調べ) 閉塞感を感じる理由(複数回答、クレイア・コンサルティング調べ)

 同様に半数以上が自らの努力に対する給料への反映の無さを挙げるとともに、業績についても努力に見合った結果が出てないことを挙げており、自分の頑張りに対して相応の見返りが無いことが閉塞感を高めている状況が浮き彫りになっている。

 さらに、会社と社員との相互の期待が薄れており、両者間の信頼感が欠如している様子が見て取れる。

 閉塞感が組織に与える影響という観点での調査結果では、まず「今の仕事に対して前向きなやりがいを感じる」と答えた人の割合は、閉塞感がある人で40.5%、ない人で85.1%となった。

 このほか「今の会社では将来の生活や仕事に対して希望を持ちにくい」と答えた人の割合はそれぞれ77.1%および5.9%、「新しいことに挑戦する気持ちや新しいものを生み出そうとする気持ちが湧きにくい」と答えた人の割合はそれぞれ64.2%および8.9%と、大きな開きが出た。

 これらの結果から、閉塞感は仕事へのやりがいや将来への希望、チャレンジ意欲に大きな影響を与えていることが見て取れる。

調査結果から見えてきたマネジメントの勘所

 一方、転職意向については、「景気によっては転職を考えたい」と答えた人の割合が、前回調査の26.3%から今回は39.2%と12.9ポイントも増えていることが明らかになった。

 とくに転職意向の高かったのが、社員数5000人以上の大手企業だ。前回の22.6%から今回37.8%まで急上昇しており、従来安定的で離職率も低いと想定されていた大手企業において、潜在的な人材流出の危険性が高まってきていることがうかがえる。

 ただ、ビジネスパーソン全体や、今の会社や仕事で閉塞感を感じている人、大手企業で転職意向のある人が、内に秘めた感情としてどのような思いを持っているかを見ていくと、興味深い調査結果が表れている。

 というのは、仕事に対する能力を高めたり、目標の達成に向けて周囲と協働したり、社会や顧客に対して貢献したいといった、前向きに頑張りたいという思いを持ち続けていることが見て取れるからだ。

 調査結果では、これらの思いについてはビジネスパーソン全体と閉塞感がある人、大手企業で転職意向のある人のいずれの割合もほぼ80%台を示していることから、誰しも内面ではやる気を持っているといっていい。

 今回の調査結果から、クレイア・コンサルティングでは次のような見解を示している。

 「職場の閉塞感は、日本企業を取り巻く外部環境の変化や組織内部の変化によって発生し、多くのビジネスパーソンのやりがいやチャレンジ意欲を低下させている一方、ビジネスパーソンの向上心や意欲を完全に奪い取っているわけではないことも判明した」

 「閉塞感を生み出す外部環境に企業が直接働きかけることは難しいとしても、組織内部でビジネスパーソンの意欲をふさいでいる要因に手を打ち、前向きな意欲を低下させない取り組みを継続していくことは可能だ。そのような取り組みをしないまま、ただ外部環境が好転するのを待つだけの組織では、その末路として社員流出という事態に直面することを肝に銘じておかなければならない」

 今回の同社の意識調査結果からは、ビジネスパーソンの本音がうかがえる。マネジメントサイドとしては、とりわけ誰もが持っている前向きに頑張りたいという思いをどう引き出して生かしていくか。まさしく腕の見せどころである。

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