SAPジャパンの安斎社長は2013年の注力事業について説明した。
SAPジャパンは1月30日、2013年の事業戦略説明会を開催した。前年に引き続き「アプリケーション」「アナリティクス」「データベース」「モバイル」「クラウド」という5つの事業領域に注力するとともに、パートナーとの協業をさらに強化していく。同社の安斎富太郎社長は「最終的な消費者にまで目を向け、顧客のビジネスイノベーションを支援する」と力を込めた。
注力する5つの事業の中で、今年特に伸ばしていきたいのがクラウドだ。「2011年はHANA(アナリティクスおよびデータベース)、2012年はモバイルが大きな成長を遂げた。2013年はクラウドに火をつけたい」と安斎氏は話す。それに向けた動きとして、昨年にはサクセスファクターズ、アリバというクラウドベンダーの買収を完了したほか、業務アプリケーションスイート製品「SAP Business Suite」の本番環境としてAmazon Web Servicesのクラウド基盤が利用できるようになった。今年はクラウド型ERPスイート製品「SAP Business ByDesign」を日本で提供開始するなど、着実に足場を固めつつある。ただし、早急に利益拡大を狙うのではなく、「SAPもクラウドサービスを提供しているのだ」(安斎氏)というブランドイメージを醸成することが当面の戦略目標だとする。
そのためにもパートナーとの協力関係を築くことは重要である。現在、約250社のパートナーがおり、その6割以上がERP関連のビジネスに従事している。そこで今後はERP以外のコンサルタントも増やしていきたいという。
「これまでのSAPの主力サービスであるERPはビジネスプロセスのプラットフォームだった。これからは(クラウドやデータベースなど)ビジネスそのもののプラットフォームを強化、提供し、世の中のスタンダードにしていく」と安斎氏は意気込んだ。
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