世界のモバイルデータ通信量は5年で13倍に けん引役は「アジア」――Cisco予測

Cisco Systemsが、2012〜2017年の世界におけるモバイルデータトラフィックの動向予測「Cisco Visual Networking Index」を発表した。

» 2013年02月07日 08時00分 公開
[本宮学,ITmedia]
photo 2012〜2017年の月間モバイルデータトラフィックの推移

 世界のモバイルデータトラフィックは、2012年からの5年で13倍に増大する――。米Cisco Systemsは2月6日、2012〜2017年の世界におけるモバイルデータトラフィックの動向予測「Cisco Visual Networking Index」を発表した。

 この調査はCiscoが毎年調査機関などのデータと独自集計を基に世界のIPトラフィック量を分析、予測するもの。発表会は日本で行われ、世界各国にUstreamで同時中継された。

 調査によると、世界のモバイル端末からのデータトラフィックは向こう5年間で13倍に急拡大し、2017年には年間134エクサバイト(1エクサバイト=1000ペタバイト相当)に達するという。「134エクサバイトという量は、2010年に世界中で発生したモバイルトラフィック全体の46倍に相当する」とCisco Systemsのダグ・ウェブスター バイスプレジデントは話す。

 地域別では、2017年までにアジアパシフィック地域が全モバイルトラフィックの47%を生成するようになるとみる。特に、日本のモバイルトラフィック量は同期間で14倍に増大し、2017年には年間1.8エクサバイトを生成すると予測している。「日本は成熟市場であるにも関わらず高い伸び率が見込まれ、世界のモバイルトラフィックをけん引するだろう」(ウェブスター氏)

photo 日本における月間モバイルデータトラフィックの推移
photo Cisco Systemsのダグ・ウェブスター サービスプロバイダー マーケティング担当バイスプレジデント

 全世界でトラフィックが増大する主な要因は、(1)モバイルインターネットユーザーの増加、(2)モバイルインターネット端末および接続数の増加、(3)モバイル向け動画コンテンツの増加――の3点という。

 2012〜2017年にかけて、モバイルネットユーザーは43億人から52億人に増加するほか、端末の接続数(センサーデバイスなどを含む)は70億台から103億台に増えるとみる。また、モバイルデータトラフィック全体に占める動画の割合は、同期間で51%から66%に増加すると同社は予測している。

 ノートPCやタブレット端末などを含むモバイル端末のうち、最もデータトラフィックの拡大が見込まれるのはスマートフォンという。2017年にはスマートフォンだけで年間90エクサバイトのデータトラフィックを生成し、世界のモバイルトラフィック全体の67.5%を占めると見込む。

 このほか、全モバイルトラフィックに占めるクラウドアプリケーションの割合は2012〜2017年の間に74%から84%に拡大するとみる。また、同期間でモバイルゲームのデータトラフィックは10倍に増加すると予測している。

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