AppleのクックCEO、ヘッジファンドによる提訴は「ばかげている」

Appleのティム・クックCEOがGoldman Sachsのカンファレンスで、株主還元や廉価版iPhoneの可能性の質問に答えた。

» 2013年02月13日 08時14分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 「株主にとって良いことをしているのに訴えられるのは異様なことだ。正直、ばかげたことだと思う」──米Appleのティム・クックCEOは2月12日(現地時間)、米Goldman Sachs主催のカンファレンスの講演で、米ヘッジファンドGreenlight Capitalが株主還元を求めて提訴したことについて、こう語った。

 cook ティム・クックCEO

 講演は、Goldmanからの質問にクック氏が答える形で行われた。Appleが保有する現金(直近の業績発表段階で約1200億ドル)と、Greenlightによる提訴と同社のデビッド・アインホーン会長が提案する株主還元について尋ねられ、アインホーン氏の提案を「創造的」だとした上で、提訴について上記の様に語った。

 同氏はまた、Appleは大規模な買収を幾つか検討したが、いずれも同社の審査を通らなかったと語った。

 この他、廉価版iPhoneの可能性については、安価なスマートフォンを提供する企業もあるが、Appleは常に高品質な製品の提供を目指しており、安価な端末のニーズには旧モデルを安く販売することで応えているとした。

 また、(同氏が得意とする)小売り戦略についてはApple Storeを顧客がApple製品と出会う最上の場所であり、コミュニティーの集いの場になっていると語った。2012年の累計集客数は1億2000万人だったという。今後もApple Storeへの投資を拡大していくとしている。

 同氏は、「落ち込んでいるときはApple Storeに行く。あそこはプロザック(米国で認可されている抗うつ剤)のようだ」と語った。

 この講演の録音は、Appleのページで再生できる。

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