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» 2013年03月14日 08時00分 UPDATE

インフラ基盤を作り込む時代は終わった (1/2)

情報システムは分散から再び垂直統合にトレンドが移りつつある。その急先鋒の1社、IBMが語る垂直統合システムの利点とは――。

[伏見学,ITmedia]

スピード! スピード! スピード!

 IBMの今後20年を支える主軸製品として、2012年4月に世界で同時発表したのが、サーバ、ストレージ、ネットワーク、仮想化、管理機能などを統合したシステム基盤「IBM PureSystems」だ。

 当初にリリースされたIaaS(サービスとしてのインフラストラクチャ)構築に対応した「IBM PureFlex System」と、PaaS(サービスとしてのプラットフォーム)基盤となる「IBM PureApplication System」のほか、早くも昨年10月にはビッグデータプラットフォーム「IBM PureData System」が製品ラインアップに加わるなど、同製品ファミリーに対するIBMの意気込みがひしと伝わってくる。

日本IBM ソフトウェア事業 WebSphere事業部 理事 事業部長の三戸篤氏 日本IBM ソフトウェア事業 WebSphere事業部 理事 事業部長の三戸篤氏

 なぜ今、IBMはPureSystemsを市場に投じたのか。その背景について、日本IBM ソフトウェア事業 WebSphere事業部 理事 事業部長の三戸篤氏は、世の中の動きとIT業界の動きの両面から説明する。

 現在、業界や規模を問わず、多くの企業が重視しているのが“スピード”である。例えば、新規ビジネス参入やグローバル展開などによって売り上げを伸ばしたいと考えたとき、意思決定してすぐに行動に移さないと、激しい企業競争に勝つことはできないという。また、スピードを高めることはコスト削減にもつながる。業務にかかっていたこれまでの時間を半分に短縮すれば、おのずと人件費などのコストを抑えることができるためだ。

 一方で、ITの世界を30年ほどのスパンで見ると、企業の情報システムは分散、集中を繰り返してきた。「ここ20年はシステムの分散化、オープン化が進み、複数の良いコンポーネントを組み合わせていこうという発想だった。しかし、メインフレームの時代にはユーザーが気にする必要がなかったことまでを考え、製品をインテグレーションしていかなくてはならなくなった。これがIT部門にとって足かせになってしまった」と三戸氏は指摘する。

 そこで、今一度振り子を戻し、分散していたものを統合していく動きが出てきた。ただし、従来のように独自の技術だけを使うという閉じたものではなく、分散システムで培われたオープンテクノロジーを活用して、メインフレームのような統合型システムを構築するという進化があった。それを具現化したのがPureSystemsというわけである。

 「世の中はスピードを求めているのに、分散システムではこのニーズに応えることができず、新しいパラダイムシフトをしなければならなかった。そこでPureSystemsのような垂直統合システムが登場したのだ」(三戸氏)

運用までも自動化

 では、PureSystemsの実現するスピードとはいかなるものなのか。その1つが、システムの導入、構築の簡略化である。「これまでは別々に購入したハードウェアやOSなどを箱から取り出し、ネットワーク接続、OSインストール、カスタマイズ設定といった作業を延々にこなさないとシステムを起動できなかった。PureSystemsは、筺体を箱から取り出してスイッチを入れたら、基本的に4時間で立ち上がる」と三戸氏は意気込む。

 運用については、事前に設定したサービスレベルに基づいて自動化することが可能になるため、運用のスピードに加えて品質も大幅に向上する。

 「PureSystemsでは、あらかじめレスポンスタイムなどのサービスレベルを規定しておくだけで、そのサービスレベルを維持するためにシステムが自動的にリソースを配分してくれる。また、今まで手動でやらなくてはならなかった運用作業の大部分が自動化するため、人手によるオペレーションミスなどがほぼなくなるだろう。さらに、運用の効率化は仮想化環境における仮想マシンの管理にも大きく寄与するのだ」(三戸氏)

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