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» 2013年03月25日 08時00分 UPDATE

Weekly Memo:キーパーソンが語るビッグデータ活用の勘所

ビッグデータの活用をテーマにした有力ベンダーによる会見やイベントが、このところ相次いでいる。そこでのキーパーソンの発言から、ビッグデータ活用の勘所を探ってみたい。

[松岡功,ITmedia]

求められるCEO、CIO、CMOの密接な連携

 有力ベンダーによる会見やイベントで、このところテーマとして急増しているのが、ビッグデータの活用に向けた話だ。そんな最近の会見やイベントから、3社のキーパーソンによる発言をピックアップし、ビッグデータ活用の勘所を探ってみたい。

 米Terracottaのロビン・ギルソープCEO 米Terracottaのロビン・ギルソープCEO

 まず1人目は、独Software AGグループ執行役員で、同社の100%子会社である米Terracotta(テラコッタ)のCEOを務めるロビン・ギルソープ氏の発言から。

 「ビッグデータの活用に向けて最も重要なのは、それを分析することによって具体的にどのような価値を生み出すかを明確にすることだ」

 この発言は、Software AGの日本法人であるソフトウェア・エー・ジーが3月14日に開いたビッグデータ向け製品戦略会見で、そのグローバルな戦略展開の責任者として来日したギルソープ氏が、ビッグデータの活用に向けたユーザーの取り組みにおけるポイントを問われて答えたものである。

 ちなみにこの日の会見では、ソフトウェア・エー・ジーがビッグデータ対応製品の中核となるTerracottaの製品群を国内で本格的に販売開始すると発表し、主要製品の特徴や機能、販売方法について説明した。その内容については、すでに報道されているので関連記事等をご覧いただくとして、ここではギルソープ氏の先の発言に注目したい。

 ギルソープ氏はビッグデータ活用において企業が求めるべき価値として、「売り上げをどう伸ばしていくか」「さまざまなリスクを抑えながら収益をどう確保していくか」「高品質なサービスを継続的に提供しながら自社のブランドをどう高めていくか」といった3点を挙げ、こうした価値を生み出すためにCEOとCIO、CMO(最高マーケティング責任者)が密接に連携して取り組んで行くことが必要だと強調した。

データに基づく経営革新が本質的なポイント

 次に2人目は、日本オラクル代表執行役社長の遠藤隆雄氏の発言から。

 日本オラクルの遠藤隆雄社長 日本オラクルの遠藤隆雄社長

 「ビッグデータの活用に向けて最も重要なのは、それをどう企業戦略の差別化に結び付けていくか、を明確にすることだ。その意味では、新しい競争社会を勝ち抜く最重要テーマと認識すべきである」

 この発言は、日本オラクルが3月14日に都内ホテルで開催したプライベートイベント「Oracle Big Data Forum」で、主催者として挨拶に立った遠藤氏が「ビッグデータ活用の話題は、とかくテクノロジーの観点から取り上げられることが多いが…」と前置きしながら語ったものである。

 ちなみにこの日のイベント内容で日本オラクルが最も注力したのは、国内外の事例を中心としたビッグデータの実践的活用法だ。ソフトバンクテレコムおよびソフトバンクモバイルの代表取締役副社長兼COOを務める宮内謙氏によるソフトバンクグループのビッグデータ活用事例の説明もあった。日本オラクルは同日、オラクルのビッグデータ分析基盤がソフトバンクグループで本格的に稼働開始したと発表した。

 その内容については発表資料等をご覧いただくとして、ここでは遠藤氏が、一方でテクノロジーにこだわって語った印象深い発言を紹介しておこう。

 「1つのテクノロジーが世界を変えてきたのは、歴史が証明している。例えば、最近ではインターネットの核心であるIPアドレスがさまざまなビジネスモデルを変革し、ネット上に巨大な産業を誕生させた。ビッグデータもまさしく同じトレンドにあるととらえている」

 いかにも業界サイドの発言と見る向きもあろうが、1つの見識として興味深いとらえ方ではある。

 最後に3人目は、日本マイクロソフト業務執行役員サーバープラットフォームビジネス本部 本部長の梅田成二氏の発言から。

 日本マイクロソフトの梅田成二業務執行役員 日本マイクロソフトの梅田成二業務執行役員

 「ビッグデータの活用に向けて重要なのは、専門家ではなく誰でもデータ分析が可能になること、現場社員によるビジネスシーンでの実活用が行えること、そして大量データを高速処理する基盤の整備だ」

 この発言は、日本マイクロソフトが3月21日に開いたビッグデータ戦略会見で、製品戦略とロードマップを説明した梅田氏が、マイクロソフトの基本戦略を語ったものである。

 ちなみに同社はこの日の会見で、ビッグデータ活用に向けた具体的なソリューションやユーザー事例、パートナー企業との取り組みについて説明した。その内容については、すでに報道されているので関連記事等をご覧いただくとして、ここでは梅田氏の先の発言に注目したい。

 同氏が語ったマイクロソフトの基本戦略は、「Big Data for Everyone〜全社員のデータサイエンティスト化」という言葉に集約される。先の発言は、これを実現するためのステップであり、ビッグデータ活用の成功のポイントだとしている。

 この戦略は、ビジネス現場ですでに広く普及しているWindowsやOfficeツールを展開するマイクロソフトならではのものだ。ただ、ユーザー企業からすると、「誰が」ビッグデータを活用するのかという根本的な問いかけであり、少々大げさにいえば、経営のあり方を問うものだと考える。

 以上、3社のキーパーソンによる発言をみてきたが、ビッグデータの活用に向けて重要なものとして各氏が挙げたのは、取りも直さず経営者が判断すべき内容がほとんどだ。遠藤氏の発言を基に改めて強調しておきたい。ビッグデータの活用はテクノロジーの話ではなく、データに基づく経営革新が本質的なポイントだ。経営者の理解と判断が不可欠なのは、もはや必然。それこそがビッグデータ活用の勘所である。

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