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» 2013年04月09日 18時54分 UPDATE

XPとOffice 2003のサポート終了まで1年 MSが企業ユーザーの移行支援を「強化」

調査会社によれば、企業と個人で約2500万台のXPマシンが利用されていることから、マイクロソフトはまず企業ユーザーへの移行支援の強化に取り組むという。

[國谷武史,ITmedia]
ms001.jpg 会見する樋口社長

 日本マイクロソフトは4月9日、Windows XPやOffice 2003の企業ユーザーの最新版製品などへの移行支援を強化する方針をパートナー企業と共同発表した。Windows XPやOffice 2003、Internet Explorer(IE) 6の延長サポートが1年後の2014年4月9日(米国時間では同年4月8日)に終了する。

 同社はXPなどの延長サポートの期限を6年前に発表。同日の記者会見に登壇した樋口泰行代表執行役社長は、サポート終了について「2001年のXP発売から12年近くにわたる利用に感謝したい。昨今ではセキュリティの脅威が進化しており、セキュリティパッチも提供してきたが、製品の構造的にもこうした対応が難しくなっている」と改めて説明した。

 IDC Japanが昨年秋に発表した調査によると、XPが稼働するPCは企業で約1419万台(全PCの40.3%)、コンシューマーで1170万台(同27.7%)に上る。特に企業ユーザーでは稼働台数が多く、業務アプリケーションや社内システムの移行、検証といった作業に膨大な時間やコストがかかることから、既に提供している移行支援策を強化していくという。

 企業向けにITサービスを提供する各社は、Windows Vistaや7がリリースされた時期からXPの移行に関するさまざまなサービスを提供している。

ms002.jpg パートナー各社の移行支援サービスなどの概要

 パートナー企業を代表して登壇したリコージャパンの窪田大介専務執行役員は、「XPのサポート終了は企業の事業継続にもかかわる問題。来年4月に消費税率が8%にアップすればPCの駆け込み需要も予想され、XPからの移行支援にあたるリソースを確保できなくなる。1年後に検討するのでは遅すぎるので、少なくとも今年9月ごろまでには検討していただきたい」と述べた。

 マイクロソフトの高橋明宏執行役ゼネラルビジネス ゼネラルマネージャーは、移行支援の強化策として(1)特設サイトや広告などを通じた告知強化、(2)中堅・中小企業向けの専門窓口の開設、(3)購入支援策の提供――を実施すると説明。(2)ではフリーダイヤル(0120-023-999)で電話相談に応じる。(3)では製品購入価格の最大15%ディスカウト、Office 365サービスのトレーニング支援や最大25万円のキャッシュバックを行う。

ms003.jpg マイクロソフトの強化策

 樋口氏は、「当社やパートナー企業が直接アプローチできる比較的大きな企業での認知度は高いが、中堅・中小企業では十分に浸透しておらず、告知を強化していく必要がある」と述べ、全国約360社の約1000拠点のパートナー企業の担当者がユーザー企業の移行を支援すると強調した。

継続利用はセキュリティリスク

 マイクロソフト製品の延長サポートでは「月例パッチ」などで知られるセキュリティ更新プログラムが提供されている。セキュリティ更新プログラムは、原則として日本時間で毎月第2水曜日に公開されるが、XPとOffice 2003、IE 6向けの更新プログラムは2014年4月9日が最後となる。

 この日の会見で樋口氏は、パッチ提供の終了に伴うセキュリティのリスクも説明。同社の検証によれば、XPマシンのマルウェア感染の危険性は7の10倍も高いという。また、XPが登場した2000年代前半はワームが主なリスクだったが、近年は標的型サイバー攻撃など複雑かつ巧妙な手口が使われる。樋口氏は、「OSの進化はセキュリティの進化でもあり、新しいOSほど多層的な防御機構を備えている」と語った。

ms004.jpg OS別のマルウェア感染の危険性

 ゲストスピーカーとして登壇したJPCERT コーディネーションセンターの満永拓邦氏(早期警戒グループ リーダー 情報セキュリティアナリスト)は、「アップデートを適切に行っているPCはマルウェア感染率が2%未満にとどまり、最新の環境で基本的な対策を徹底することが大切だ」と解説。また、情報処理推進機構の加賀谷伸一郎氏(セキュリティセンター調査役)は、「現在でもXPに関する脆弱性は毎月10件程度ある。サポート終了後に脆弱性が見つかれば、これを悪用したマルウェア感染や不正アクセスの危険性が高まる」と警鐘を鳴らす。

 マイクロソフトの高橋正和チーフセキュリティアドバイザーによれば、現時点では原則としてサポート終了後に脆弱性が見つかっても修正パッチは提供しない方針。だたし、非常に緊急性の高い問題が発生すれば、「対応を検討する可能性はあり得るかもしれない」とのことだ。

ms005.jpg WindowsやOfficeでのセキュリティ機能の変化

 なお、ウイルス対策ソフトなどのセキュリティ製品の多くでサポートが打ち切られる可能性が高く、2014年4月10日以降にセキュリティ問題が発生しても、ベンダーが対応しない(できない)リスクも生じる。さらには、デジタルサイネージや自動販売機、POS端末などにもWindows XPが多数採用されており、こうした端末やシステムのセキュリティリスクも浮上する。組み込みシステム向けのXP Embeddedについては2016年1月12日まで延長サポートがあるものの、XPベースで稼働するシステムではセキュリティ対策を含めた見直しが大きな課題となりそうだ。

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