2012年度の国内ERP市場は7.4%増、2016年までの成長率は6.7%――ITR予想

ITRがERP、連結会計、経営パフォーマンス管理の市場調査結果を発表した。国内ERP市場の2012年度は前年度比7.4%増の約855億円で、大企業向けおよび中堅企業向けERPでの堅調な伸びを見込んでいる。

» 2013年04月25日 18時07分 公開
[ITmedia]

 IT調査会社のITRは4月25日、国内ERP市場(大企業向け、中堅企業向け、中小企業向け)、連結会計および経営パフォーマンス管理製品を対象とした市場調査の結果と、ERP市場の4業務分野別市場予測を発表した。

 まず市場調査によると、国内ERP市場の2011年度の出荷金額は796億円、前年度比5.4%増と堅調な伸びになった。2012年度は、大企業向けERP市場においてグローバル化に伴う基幹システムのリニューアルや、中堅企業向けERP市場では既存ユーザーのリニューアルが進みつつあることが原動力となり、ERP市場全体では同7.4%増の約855億円とさらなる伸びを見込んでいる。2012年度の大企業向けERPは前年度比9.2%増、中堅企業向けは同9.4%増、中小企業向けは横ばいで推移する見込みとなった。

 連結会計製品では、2011年度は海外展開する大企業での導入拡大により、16.9%増となった。だが、2012年度はSAPの不調により横ばいの見込みという。経営パフォーマンス管理製品の2011年度は、10.9%増と拡大し、2012年度は13.9%増とさらなる伸びをみせると予想する。

 また、2011年度から2016年度までのERP市場の年平均成長率は6.7%と予測。ERP市場全体を会計、人事・給与、販売管理、生産管理の4つの業務分野別での構成比を見ると、2010年度から2012年度(予測)までおおよそ会計が4割、人事・給与が3割、販売2割、生産管理1割で推移し、変動はみられないが、各年平均成長率は会計6.4%、人事・給与6.0%、販売7.8%、生産管理7.6%となり、販売と生産管理ではやや高い伸びを予測している。

ERP市場規模推移および予測(業務分野別)

 ITRのプリンシパル・アナリストの浅利浩一氏は、「縮小傾向にある国内市場だけに依存しない企業の戦略が、グループ/グローバル・システムの強化に向かうことは必然だ。その際、これまでパッケージがあまり適用されてこなかった販売や生産管理の業務分野も含めた導入が進むことが予想され、これらの年平均成長率が高いものになるだろう」とコメントしている。

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