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» 2013年05月15日 12時55分 UPDATE

SAPPHIRE NOW Orlando 2013 Report:スポーツ業界にもアプローチ SAPは「BtoBtoC企業に」 (1/2)

独SAPの年次カンファレンス「SAPPHIRE NOW Orlando 2013」が今年も開幕した。10億人の顧客獲得を目指し、新たな産業分野に対して本格的なソリューションを提供していく。

[伏見学,ITmedia]

 クラウドやソーシャル、モバイルの進展がITのあり方を大きく変えてきている。例えば、モバイルデバイスに関して、米IDCの調査によると、スマートフォンの出荷台数は2013年に9億1860万台、2017年には出荷台数は15億台になると予測。一方で、BYOD(私的デバイス活用)に代表されるように、スマートフォンやタブレット端末の企業内利用も加速しており、モバイルデバイス利用者の急増は決してコンシューマーの世界だけに起因するものではない。昨今のソーシャルメディアの企業利用についても同様のことが言えよう。

 そうした状況を見ると、これまでのような一般消費者向けIT(コンシューマーIT)と企業向けIT(エンタープライズIT)という区分けした考え方はもはや意味をなさなくなるかもしれない。

 独SAPは5月14日(米国時間)、全世界のユーザー企業やパートナーに向けて同社の戦略ロードマップや新製品・サービスなどを発表する年次カンファレンス「SAPPHIRE NOW Orlando 2013」を、米国・フロリダ州オーランドのオレンジカウンティ・コンベンションセンターで開幕した。今年も2万人の参加者が詰め掛け、初日の早朝から会場は熱気と興奮に包まれた。

3日間開催される「SAPPHIRE NOW Orlando 2013」。初日のキーノート会場の様子 3日間開催される「SAPPHIRE NOW Orlando 2013」。初日のキーノート会場の様子

 万雷の拍手を浴びてオープニングのキーノートに登場したのは、SAPのビル・マクダーモット共同CEOだ。ジム・ハガマン・スナーベ氏との共同CEO体制になってから3年が過ぎたが、当初から宣言している「顧客の最も成功しているビジネス(Best-Run Business)を支援」するべく、SAPは着実にそのための取り組みを強化してきたといえよう。

顧客の顧客へリーチ

 その表れが今回壇上でマクダーモット氏が強調した「我々はBtoBtoCの企業になる」というメッセージである。1972年に創業して以来、これまでSAPはERP(統合業務パッケージ)やBI(ビジネスインテリジェンス)など、主にBtoBの製品やサービスを市場に投入してきた。もちろんこの事業戦略は今後も変わることはないだろう。しかしアプローチ方法は変化する。既存の企業顧客だけにとどまらず、彼らの先にいる顧客――すなわちほとんどの場合がコンシューマー――に対しても製品やサービスの価値を提供していくことが、SAPが目指すビジネスの新境地なのだ。また、このことこそが昨年来、マクダーモット氏をはじめ同社が繰り返し述べている「10億人の顧客」の実現にほかならない。

SAPのビル・マクダーモット共同CEO SAPのビル・マクダーモット共同CEO

 こうしたコンシューマーを獲得するための技術トレンドが、モバイルであり、ソーシャルであり、クラウドであり、ビッグデータである。そしてまた、SAPが提供するインメモリコンピューティングシステム「SAP HANA」なのであるという。「今やHANAはSAPのソリューションにおけるすべての基盤となっている。HANAが世界を新たなレベルに引き上げた」とマクダーモット氏は意気込む。

 例えば、ソーシャルメディアから抽出した構造化/非構造化データを瞬時に分析し、ユーザーの感情や意図を理解したり、パーソナル医療診断を数分で可能にしたり、クレジットカードのハッキングを防ぐために大量のトランザクション検知を行ったり、あるいは、バーの酒樽にセンサーを埋め込むことでリアルタイムにデータを取得、解析できたりと、世の中のさまざまな場面でHANAが活用されているのだという。

「あらゆる人たちにとって重要なのは、地球をより良く改善するスマートなテクノロジーである。それにはHANAが持つリアルタイム性が必要不可欠なのだ」(マクダーモット氏)

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