トレンドマイクロ、モバイルセキュリティの新施策と製品を発表

「デバイス」「データ」「ダウンロードアプリ」の3つの「D」を軸とする事業戦略に基づき、機能強化を含む新製品と今後の展開を説明した。

» 2013年05月15日 17時08分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 トレンドマイクロは5月15日、コンシューマー向けモバイルセキュリティ事業に関する戦略説明会を都内で開催、機能強化した「ウイルスバスター モバイル」の新バージョンなど3製品の発売と今後の事業展開を発表した。

戦略説明を行う大三川彰彦氏

 説明会では取締役副社長の大三川彰彦氏が、コンシューマーモバイルの新たな戦略「3D戦略」を発表した。3D戦略では「デバイスプロテクション」「データアクセス」「ダウンロードアプリ」の3つの軸で、ユーザーを保護するための製品やサービスを展開する。3D戦略に基づく製品として、「ウイルスバスター モバイル」「トレンドマイクロ セーフバックアップ」「トレンドマイクロ バッテリーエイド」(いずれもAndroid向け)の3製品を紹介した。

 オンラインデータバックアプリのセーフバックアップは、これまで試行版がGoogle Playで提供されてきたが、製品版に移行。セーフバックアップは15日(一部除く)から、バッテリ保護アプリのバッテリーエイドは16日からGoogle Playおよび同社のオンラインショップにて、ウイルスバスター モバイルも16日からオンラインのほか、家電量販店の店頭などでも販売される。

 ウイルスバスター モバイルは、セーフバックアップと連携して端末のデータをウイルスバスターアプリからバックアップ/リカバリできるようにした。今年12月末までにウイルスバスター モバイルで500万ユーザー、バッテリーエイドで12万ユーザー、セーフバックアップで10万ユーザー(いずれも累計)の獲得を目指す。

3D戦略の全体像

 上席執行役員 コンシューマビジネス本部長の大場章弘氏は、コンシューマー市場でのスマートフォンやタブレット端末の普及に応じて、セキュリティの脅威も急激に高まっていると説明。同社はこれまでに約240万本のAndroidアプリを独自に解析し、50万本以上の不正アプリを確認したという。うち2割近くがGoogle Playで配布されていることも分かり、ユーザーのセキュリティ強化が急務だとしている。

トレンドマイクロ セーフバックアップのデモ

 3D戦略ではAndroidアプリを解析している「Trend Micro Mobile App Reputation」の機能強化も図り、新たにiOSアプリの解析も実施する。また、マーケットで配布されているアプリの内容がマーケットでのカテゴリと合致するかどうかも検証できるようにする。「ゲームカテゴリに分類されながら、実際はアダルトアプリで、ユーザーを巧妙にだます手口も広まっている」(大場氏)ためだ。

 Trend Micro Mobile App ReputationでのiOS対応は2013年下半期以降を予定し、同時期にiOS向けのセキュリティアプリもリリースする計画だという。このほかにもプライバシー対策サービスなどの提供も予定している。

3製品の概要
製品名 同社オンラインショップでの販売価格(税込) 主な機能
トレンドマイクロ セーフバックアップ 170円(月額版)/1890円(1年版)/3570円(2年版) オンラインのデータバックアップ/リカバリ。1Gバイトのオンラインストレージとバックアップ項目を制限した無償版もあり。
ウイルスバスター モバイル 2980円(1年版)/5480円(2年版) 不正アプリ対策、プライバシー保護、Web保護、盗難・紛失対策・迷惑SMS対策、セーフバックアップ連携
トレンドマイクロ バッテリーエイド 630円(1年版)/1050円(2年版) 電話専用モード、リソース消費の多いアプリチェック、おまかせeco設定。電話専用モード機能の無償版もあり。

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