「Google Chrome 28」の安定版リリース Blink採用と「リッチ通知」機能(Windowsのみ)

GoogleのWebブラウザがバージョン28にアップデートされ、レンダリングエンジンがWebKitからBlinkになった他、Windows版ではデスクトップにアプリや拡張機能からのプッシュ通知が表示されるようになった。セキュリティ関連では危険度最高の「Critical」を含む脆弱性に対処した。

» 2013年07月10日 07時58分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米Googleは7月9日(現地時間)、Webブラウザ安定版の最新バージョンとなる「Chrome 28」(バージョン28.0.1500.71)をWindowsとMac向けに公開した(Linux向けは6月17日にアップデート済み)。インストール後、ブラウザの再起動が必要。なお、Android版Chromeはアップデートされていない。

 一般ユーザー向けの新機能としては、Windows版に「リッチ通知」機能が搭載された(Mac版にも“間もなく”搭載されるという)。GoogleカレンダーやGmailなど、(対応する)Webサイト、アプリ、拡張機能からの通知がデスクトップに表示される。デフォルトでは通知が表示される前にアラートが表示される。

 通知を受信するとタスクバーのシステムトレイにアイコンが表示され、このアイコンをクリックすると「Chrome通知センター」が開いて各種通知を確認できる。この通知センターでは過去にさかのぼって通知を確認できる他、サイトごとの通知のオン/オフを設定できる。

 chrome 1 Chrome通知センター(左)、サイトごとの設定画面(右)

 開発者側は通知に画像やテキスト、ツールボタンなどを設置できる。例えばメッセンジャーの通知に送信者のプロフィール写真やメッセージの内容、返信ボタンを組み込んでおける。

 chrome 2 リッチ通知の例

 また、このバージョンからレンダリングエンジンが従来の「WebKit」から「Blink」に切り替わった。これにより、従来のHTMLパーサーと比較して、DOMコンテンツの読み込みは10%速くなり、解析にかかる最大停止時間が40%削減されるという。

 chrome 3 Chromeのバージョン情報でレンダリングエンジンがBlinkになった

 セキュリティ関連では、計18件の脆弱性に対処した。Googleの4段階評価で最も高い「Critical」が1件、上から2番目に高い「High」が4件、「Medium」が7件、「Low」が3件、「None」が1件。危険度が高い脆弱性のうち、外部の研究者から報告されたネットワークソケットに関連するCriticalな脆弱性については賞金6267.4(3133.7×2)ドルが、SSLのHTTPへの攻撃に関連する脆弱性については3133.7ドルが贈呈された(31337はeleet、つまりエリートの意のスラング)。

 Chromeのアップデートとは別に、Flash Playerもバージョン11.8.800.97にアップデートされた。

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