“バルス祭り”その時Twitterの中の人たちは──日本と米本社をまたいだ舞台裏

金曜日の夜放映の「天空の城ラピュタ」で勃発した“バルス祭り”。その秒間ツイート数を迅速に発表したTwitterの中の人に舞台裏を聞いてみた。

» 2013年08月06日 13時14分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 8月2日夜の「天空の城ラピュタ」地上波テレビ放送で、恒例となっているTwitterでの“バルス祭り”が勃発。その直後から「ツイート速度」に関するデマツイートが出回るなど、日本ではバルス祭りの成果に対する関心が高まった。

 翌日、土曜日だったにもかかわらずTwitter Japan広報は集計数字を公式ツイートで発表。従来のTPS(秒間ツイート)の最高記録である2013年のあけおめツイート3万3388を大幅に上回る14万3199TPSという驚異的な記録更新となった。同社広報は、正式発表が翌週持ち越しにならぬよう、“花金”で忙しい米国本社のエンジニアに協力してもらったと言う。

 TPSの集計は、米国本社の限られたエンジニアが担当する。そのため日本の広報は“バルス祭り”の約2週間前には祭りの予定をエンジニアらに連絡し、TPSの集計を依頼した。前回のバルス祭りで急激に負荷が増えたことを覚えていたエンジニアらは、その後のサーバ増強により、急激な負荷増加にも耐えられると請け負ったという。

photo 日本テレビ放送の「金曜ロードSHOW!」公式サイトより

 「バルス」の瞬間は、米国のTwitter本社があるカリフォルニア州サンフランシスコでは金曜日の早朝。事前の予測では当日夕方までには集計できると思われたが、デマツイートが出回ったころにはかつてない規模になっていることが判明。この時点で、日本の広報担当者は金曜日中に集計するよう強く説得したという。

 エンジニアらは日本特有のこの現象を面白がり、サーバが過去最高の4倍にもなるピークを持ちこたえたことを喜んではいたが、金曜夜の予定を返上しての作業にはやや不承不承だったようだ。それでも最終的に10人以上のエンジニアが残業して集計したという。

 米国本社では幹部らの間でも“バルス祭り”が話題になり、テレビを見ながらツイートするというTwitterの使い方の非常に良いサンプルだと評価したという。日本の広報担当者は、「Twitterをこのような形で楽しんでもらえたことを米国本社も喜んでいる」と語った。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ