PayPal、“ハンズフリー決済”を実現するBLE端末「Beacon」発表

店内に設置した低消費電力技術「Bluetooth Low Energy(BLE)」採用のUSB端末とユーザーのPayPalアプリ搭載のAndroidまたはiPhoneが接続し、ユーザーはクレジットカードを出すこともなく決済できる。

» 2013年09月10日 19時19分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]
 beacon 1 Beacon設置例

 米eBay傘下のPayPalは9月9日(現地時間)、低消費電力技術「Bluetooth Low Energy(BLE)」を採用した店舗向けモバイル決済端末「PayPal Beacon」を発表した。

 USBメモリのようなこの端末とBLE対応スマートフォン(Android 4.3とiOS 7が対応する)を接続することで、ハンズフリーの決済を実現する。GPSもWi-Fiも不要だ。

 PayPalアプリをインストールしたAndroidあるいはiOS端末を持つユーザーがBeaconが設置されたショップに近づくと、スマートフォンが振動してそのショップがBeaconに対応することを通知し、ユーザーがショップからのアクセスを承認(チェックイン)すると、その後はスマートフォンを取り出さずに、買うものをレジに持っていくだけでハンズフリーで決済できる。ショップ側では、ユーザーが承認した時点でPayPalのPOSシステムにユーザーの顔写真付きのデータが表示される。

動画が取得できませんでした

 ユーザーがチェックインしない限り追跡はされず、従来のPayPalサービスと同様にユーザーデータはセキュアに守られるという。また、毎日通うようなショップでは自動チェックインするように設定することも可能だ(上の動画では、いつも朝食をテイクアウトするカフェの前に近づいただけでマスターが朝食を差し出すシーンがある)。

 同社が昨年立ち上げたカードリーダー式モバイル決済システム「PayPal Here」では、ユーザーはチェックイン後(GPS利用)後、クレジットカードをカードリーダーで読み取らせる手間があったが、これもなくなるわけだ。

 PayPalは、ショップ向けにAPIも提供する。例えばポイントサービスと連係させたり、レストランのウェイティングリストにユーザーを自動的に追加する機能を追加したりすることができる。現在特設サイトでβ版への参加を募集している(100人まで)。

 beacon 2

 同サービスは既存のPayPalのシステムに追加する形で利用できる。価格はまだ発表されていない。一般公開は2014年前半の見込みだ。

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