非構造化データの統合管理に強み、米ZLが新バージョンを発表

非構造化データの統合型アーカイブソリューションを展開するZL Technologiesが最新版製品を発表。国内パートナーを拡充し、日本での事業を強化する。

» 2013年10月16日 19時29分 公開
[ITmedia]

 アーカイブソリューションベンダーの米ZL Technologiesは10月16日、ユニファイドアーカイブソリューション製品の最新版「ZL Unified Archive v8.0」を発表した。国内パートナーに日本ユニシスとリコーITソリューションズの2社が新たに加わり、日本での事業展開を強化する。

カン・リョング最高経営責任者兼社長

 ZL Technologiesは1999年に創業し、米国カリフォルニア州に本拠を置くアーカイブシステムの専業ベンダー。共同創設者で最高経営責任者兼社長のカン・リョング氏は、「メールのアーカイブを起点に、企業内に蓄積されている膨大でさまざまタイプの非構造化データの統合的な管理に一貫して取り組んできた」と話す。同氏によれば、非構造化データとは「人が人のために作るデータ」と捉えることができ、コミュニケーションからドキュメントまで、人と人がやり取りするデータの管理技術に強みがあると述べた。

 こうしたことから、近年ではコンプライアンスや内部統制、法規制、e-ディスカバリー(民事訴訟での電子証拠の開示対応義務)といった企業における情報管理の強化ニーズを背景に、グローバル企業顧客の獲得に成功しているという。日本ではトヨタ自動車やJR東日本、古川電工といった企業が顧客になっている。

 カン氏は、「企業が構築しているアーカイブシステムは、メールやドキュメント、コンプライアンス対応など目的ごとに構築され、サイロ化している。これでは必要な情報を短時間で発見したり、活用したりすることができず、多くの機会損失につながっている」と話す。同社の製品では統合型の基盤にメールやドキュメント管理システム、各種ストレージなどが接続されるアーキテクチャにより、企業内に分散しているデータの一元的な管理や非常に高速なデータの検索、コンテンツ分析などが可能だとしている。

ZL Unified Archiveのイメージ

 新規パートナーの日本ユニシスは、6月からZL Unified Archiveに販売および導入・構築支援サービスを開始し、自社でも利用する。旧システムから移行効果としてはジャーナルアーカイビングの処理時間が約半分になり、今後のデータ量の増加にもスケールアウトで対応していけることから自社導入とパートナー参画を決定したという。

 最新版では昨今のビッグデータ分析などのニーズに対応するため、ネイティブのHadoopコンポーネントを利用し、ペタバイトクラスのデータ処理が可能になったほか、収集可能なデータの種類もGmailカレンダーやMac OS Xファイルシステム、JIVEやChatterなどのクラウドサービスにも対応している。分析機能も強化し、FacebookやTwitterなどのデータからポジティブ/ネガティブコメントの解析、影響力のあるコメント(インフルエンサー)の抽出といった分析ができるようになった。エンタープライズコンテンツ管理製品との連携でも新たにEMC DocumentumやFileNetをサポートする。パートナー各社から年内に順次提供される予定。

 ビジネス開発ディレクターの塩屋チミー氏によれば、日本企業のグローバル化に伴って海外市場での法規制やe-ディスカバリーなどへの対応ニーズが高まり、国内でも輸入出に関するメール内容の5年間の保存義務化や2014年のインサイダー規制の強化の動きかがあるため、国内企業の新規採用に注力するとしている。

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