「味ぽん」などで知られる食品大手のミツカングループは、早期からモバイル端末の業務活用に取り組んできた先進企業でもある。そんな同社が進めているタブレット活用プロジェクトの全貌とは――。
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「老舗企業」というとなかなかITと結びつきにくいイメージもあるが、そんな先入観を覆すような新しいチャレンジを続けている企業がある。創業210年を迎えたミツカングループは、国内企業の中でもいち早くモバイル端末の活用に着手し、場所や時間の制約を受けないモバイルワーキングを実践している企業の1社だ。
「味ぽん」などの商品で知られる同社は1996年にIBM Lotus Notes/Dominoを導入し、それと同時期にモデムを使ってのモバイルコンピューティングを開始。さらに2004年には携帯電話からNotes/Dominoの一部機能を利用できる仕組みを整備するなど、早期からモバイル端末の業務活用に取り組んできた。
そんな同社は現在iPadを本格導入し、さらなるモバイル活用に向けたプロジェクトを進めているという。取り組みの背景と狙いについて、同社管理本部 情報システム部 情報企画課の桝田浩司課長と坂本あいさんに聞いた。
食酢の製造会社として1804年に創業したミツカンは、今では国内27の拠点と工場、海外には25の拠点と工場を構える国内有数の大手食品メーカーだ。そんな同社が利用しているのがNotes/Dominoである。全国の拠点から営業情報を集約するために1996年に導入し、次第に業務データベースなどにも用途を拡大。今では社員のPC作業時間のうち約半分をNotes/Dominoが占めるほどになっているという。
そんなNotes/Dominoの用途のうち、特に多くを占めているのはワークフロー管理だ。「当社は食品を扱っているので、『最後はお客さまの命を預かることになる』という意識がある。1つ1つの商品を提供するまでにも厳しい社内承認プロセスがあり、それを確実に実現するためのシステムを用意している」と桝田課長は説明する。
一方、そうした厳格な承認フローを運用する中で課題も生まれていた。ワークフローシステムでは当然、経営職の承認が下りなければ業務が先に進まない。だが、愛知県半田市の本社と東京ヘッドオフィスを持つ同社は経営職の出張が多く、しばしば承認フローの遅延に悩まされていたという。
「調べてみたところ、本社管理職以上の年間出張回数は1人当たり平均56回に及び、業務時間の約2割が移動中の時間であることが分かった」(桝田課長)。同社は従来からノートPCの社外持ち出しによるモバイルワーク体制などを用意していたが、「新幹線などの中で使いやすい端末へのニーズが高かった」。そこで白羽の矢が立ったのがタブレット端末だったという。
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