XPのサポート終了、Windows 8.1のパッチ適用は「Update」が必須に

Windows XPとOffice 2003向けの月例パッチが最後になる一方、Windows 8.1では5月の月例パッチから「Windows 8.1 Update」が必須になるようだ。

» 2014年04月09日 16時02分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 米Microsoftは4月8日(日本時間9日)、4月のセキュリティ更新プログラムを公開した。Windows XPとOffice 2003向けの新規公開は今回で終了する。一方、Windows 8.1/RT 8.1では同日公開の「Windows 8.1/RT 8.1 Update」を適用しなければ、5月以降の月例セキュリティ更新プログラムなどが適用できなくなるという。

XPの移行支援を継続

 同日公開されたセキュリティ更新プログラムは4件。XPに該当するのは、「Windowsのファイル操作コンポーネントの脆弱性」(MS14-019)と「Internet Explorerの累積的なセキュリティプログラム」(MS14-018)の2件。Office 2003ではゼロデイ攻撃にも悪用された「WordおよびOffice Web Appsの脆弱性」(MS14-017)と「Office Publisherの脆弱性」(MS14-020)が該当する。

業務執行役員 最高技術責任者の加治佐俊一氏

 日本マイクロソフト 業務執行役員 最高技術責任者の加治佐俊一氏は、同日の記者会見で「5月以降、XPとOffice 2003のセキュリティ更新プログラムは提供されない」と改めて説明。ユーザーに早期の移行実施を呼び掛けた。

 IDC Japanが7日に発表した国内のXP利用状況によれば、2013年12月末現在で1227万台(家庭と法人の合計)のXPマシンが稼働しているが、2014年6月末には592万台に減少する見込み。これについて加治佐氏は、「移行促進キャンペーンの成果が出ているがまだ多い。台数ベースでも利用時間ベースでも今後数カ月でさらに減少してくのではないか」と述べた。業務執行役員 Windows 本部長の藤本恭史氏は、「サポートを終了したOSは、シェア10%を切ると数年で利用率が0%に近づく。XPでも同様とみているが、ユーザーには早期移行をお願いしたい」を話す。

 日本マイクロソフトは、個人のXPユーザー向けに無償のデータ移行ツールを7月31日まで提供するほか、5月31日まで電話による相談窓口(0120-256-790)も開設している。法人のXPユーザー向けにも電話による相談窓口(0120-023-999)を開設。マイクロソフトパートナー企業への相談も呼び掛けている。

Windows XPの移行に関する主な支援策

 また同社は、9日以降もXPやOffice 2003を利用する場合の最低限の対策として、(1)全てのセキュリティ更新プログラムを適用する、(2)セキュリティ製品を最新状態にする、(3)インターネットから切断する、(4)USBメモリなどを接続しない――を紹介。なお、XPとOffice 2003のセキュリティ更新プログラムのダウンロード期限は今後1年間という。「XPとOffice 2003に関連するセキュリティ情報を今後も可能な限り提供したい」(加治佐氏)としている。

移行が間に合わず暫定的にXPを継続利用する場合の最低限の対応策

 MicrosoftによるクライアントOSのサポート終了日は、Windows Vistaが2017年4月11日、Windows 7が2020年1月14日、Windows 8/8.1が2023年1月10日の予定。チーフセキュリティアドバイザーの高橋正和氏は、「ぜひ今から移行計画を検討され、余裕を持った移行対応を準備してほしい」とアドバイスする。

「Update」が必須に

 Microsoftはセキュリティ更新プログラムと併せて、Windows 8.1/RT 8.1向けの「Windows 8.1/RT 8.1 Update(以下、Update)」をWindows Update経由でリリースした。Windows 8.1/8.1 RTではこの「Update」を適用しなければ、5月以降のセキュリティ更新プログラムや修正プログラムが適用されなくなるという。Windows Server 2012 R2でも同様の措置が取られるとしている。

 これは、同社がWindows 8/Sever 2012から採用した「Rapid Release」に伴うものとみられる。OSの大幅なアップデートが以前よりも短い周期で提供されることになり、セキュリティ更新プログラムや修正プログラムなどの適用漏れを防ぐ狙いから、Windows 8.1/RT 8.1では「Update」の適用が事実上必須になった格好だ。

 「Updateには操作性や機能面などユーザーの使い勝手を高めるアップデートも数多く提供されるため、できるだけ最新の環境を利用していただきたい」(セキュリティプログラム マネージャーの牧田進矢氏)という。

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