FacebookのサンドバーグCOO、無断情動感染実験について部分的に謝罪

Facebookが約70万人のユーザーに無断で情動感染実験を行ったことが物議を醸していることについて、同社の最高執行責任者、シェリル・サンドバーグ氏が「コミュニケーションが不十分だったことを謝罪する」と語った。

» 2014年07月03日 07時47分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 「皆さんを動揺させるつもりはまったくありませんでした」──。米FacebookのNo.2であるシェリル・サンドバーグCOO(最高執行責任者)が、2012年に同社がユーザーに無断で行った情動感染実験についてこう語り、謝罪したと、米Wall Street Journalが7月2日(現地時間)に報じた。

 同社の幹部が公の場でこの実験について触れたのはこれが初めてだ。サンドバーグCOOは、新広告サービスの立ち上げのために訪問中のインドで開催した「リーン・イン」のキャンペーン集会でこの実験に言及し、「この実験では、コミュニケーションが不十分でした。そのことについて謝罪します。皆さんを動揺させるつもりはまったくありませんでした」と語ったという。また、「Facebookでは、プライバシーとセキュリティを本当に重視しています。それらが確保されていてこそ、ユーザーは自分の意見や感情を表明してくれるからです」とも語った。

 sheryl インドで開催した「リーン・イン」集会でのシェリル・サンドバーグCOO(中央)

 問題になった実験は2012年初頭に実施されたもので、約70万人のユーザーのニュースフィードに表示するコンテンツを事前の通知なしに操作し、対象となったユーザー自身の投稿への影響を調査した。この実験結果をまとめた論文が6月末に米国科学アカデミーの機関誌に掲載されたところ、「ユーザーをモルモットにしたのか」といった批判が高まっている。その後、論文執筆者の1人でFacebookのデータサイエンティストが実験について説明し、謝罪した

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