三菱電機の液晶テレビで発生したトラブルに筆者も直面した。事後対応は素早かったが、そもそも放送電波でソフトウェア更新を行うような仕組みには、セキュリティ上の盲点が潜んでいることをご存じだろうか。
3月29日に三菱電機の液晶テレビ「REAL」で発生したトラブルが話題になった。筆者も作業が一段落した当日の午前2時半頃、テレビを見始めてしばらく経つと突然画面がまっ黒になり、再起動してまた正常な画面に戻るという奇妙な現象が現れた。一時的な症状と思ったがいつまで経っても再起動を繰り返す状態に陥った。
筆者が所有する製品はブルーレイレコーダー内蔵型なので、PCのトラブルのようにHDDの影響かと思って、説明書に沿いながら様々な対応を実施したが全く治らない。ネットで以前に同じ様なトラブルがなかったかどうかなどを検索してもそうした情報は見当たらない。そのうち、今まさにトラブルに直面しているという人が見つかり、この状況から筆者は次のように判断をした。
つまりこの問題は、(1)恐らくテレビのハードウェアに関する障害ではない、3月29日午前0時頃を境に始まったソフトウェア更新が原因か――と考えるのが一番に筋の通る結論である。
そう考えて午前4時に、24時間受け付けているという無料通話のお客様相談センターに電話をした。しかし、自動案内で待たされ、いつまで経っても応答してもらえない。この時間帯としては通常ではあり得ないと思われた。結局20分ほど待たされ、強制的に「再度ご連絡ください」というガイダンスが流れ、通話が切られてしまった。不満に思いながら今度は有料通話のセンターにも電話したがつながらず、仕方なくFAXで連絡することにした。この時点で上述の推測は確信に変わった。筆者のような問い合わせの電話が殺到していたに違いない。
その日の午後3時になって同社から連絡がきた。今回の混乱ぶりを考慮すれば、他の家電メーカーに比べて素早い対応に好感を覚える。対応現場の方の苦労を思うに、相談センターにつながらなかったことの不満は抑えて早々に電話を切った。
ただし今回の事件を通じて感じたのは、「自動アップデート」のような仕組みに大きなセキュリティホールがあるという点だ。最近でもMicrosoftのWindows Updateでトラブルが相次ぐなど、自動アップデートのリスクを実感した人は多いことだろう。
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