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» 2015年06月10日 13時00分 UPDATE

税理士目線で提案する「中小企業のマイナンバー対策」:第1回 「マイナンバーと税理士」の密接な関係 (1/3)

マイナンバー制度は全ての企業で、さらにその委託先、例えば税理士の業務も考慮して対応しなければならない。中小企業はもともと、税務を税理士に委託している実情があるからだ。「税理士への委託」を考慮した実践的な対策方法をできるだけ分かりやすく解説していく。

[中尾健一(アカウンティング・サース・ジャパン),ITmedia]

 マイナンバー制度は全ての企業で、さらにその委託先も、例えば「税理士」の業務にも深く関係する。企業はここも考慮して対応しなければならない。全国385万社におよぶ中小企業や個人事業主はもともと、税務を税理士に委託している実情があるからだ。

 ここでは、企業が対応すべき重要な対策となる「税理士への委託を考慮」した具体的なマイナンバー対策方法を、マイナンバーエバンジェリストにできるだけ分かりやすく解説していただこう。

講師:中尾健一(なかお・けんいち)氏

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アカウンティング・サース・ジャパン株式会社 取締役。1982年日本デジタル研究所(JDL)入社。日本の会計事務所のコンピュータ化を30年以上に渡りソフトウェア企画面から支えてきた。2009年、税理士向けクラウド税務・会計・給与システムを企画・開発・運営するアカウンティング・サース・ジャパンに創業メンバーとして参画、取締役に就任。
2015年4月に発足したクラウドマイナンバー事業における「マイナンバーエバンジェリスト」として、中小企業の財務を担う税理士の視点から、マイナンバー制度が中小企業に与える影響を解説する。



まずは「マイナンバー制度の概要」を理解しよう

 政府公報などで個人向けのさまざまな行政手続きが便利になると宣伝されているマイナンバー制度。この制度は「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(以下、「番号法」 2013年5月31日公布)により、利用目的は社会保障、税および災害対策に関する特定の事務に限定されています。そのため「社会保障・税番号制度」とも呼ばれています。

 この「社会保障・税番号制度(以下「番号制度」)」には、「行政の効率化」「国民の利便性の向上」「公平・公正な社会の実現」という目的があり、これからの国民生活を支える社会的基盤となるものとして位置付けられています。

 番号制度では「個人番号(マイナンバー)」と「法人番号」があります。法人番号は公開情報のため、取り扱いについて特に規制はありません。しかし個人番号、いわゆる「マイナンバー」は個人情報となり、個人番号をその内容に含む個人情報は「特定個人情報」として、その収集・保管・利用に法的な規制を受けることになります。

 そのため、番号法および関係法令に基づき、「特定個人情報保護委員会」という組織が個人番号とその他の特定個人情報の適正な取り扱いを確保し、監視・監督などを行うため、内閣府外局の第三者機関として設置されています。特定個人情報保護委員会は、個人番号の取り扱いについてのガイドラインを発表しており、このガイドラインが事業者の方にとっては個人番号および特定個人情報の取り扱いの重要な指針となっています。

 個人番号は、2015年(平成27年)10月より、住民票を有するすべての個人に、市区町村より通知されることになっています。これを読まれている方も、ご自分の12ケタの個人番号を2015年10月以降より簡易書留で送られてくる「マイナンバー通知カード」で知ることになります。同封されてくる申請書で市区町村に申請すると「個人番号カード」を2016年1月以降に入手することができます。

 この個人番号カードは身分証明にも使えます。個人がさまざまな行政手続きをする際に、添付書類を省略できるなど、制度の目的である「国民の利便性の向上」を実現するためのツールとして利用されることが予定されています。

photo 図1:マイナンバー通知カードと個人番号カード
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