Twitter、61%増益だがMAUの伸びは鈍く「価値伝達の方法を改善する」とジャック・ドーシー暫定CEO

Twitterの4〜6月期決算は売上高は61%増で純損失は6%縮小したが、MAUの伸びは鈍化しており、6月に暫定CEOに就任した共同創業者のジャック・ドーシー氏は「オーディエンスの成長には満足していない」と語った。

» 2015年07月29日 06時19分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 米Twitterは7月28日(現地時間)、2015年第2四半期(4〜6月)の決算を発表した。売上高は前年同期比61%増の5億238万ドル、GAAPベースの純損失は1億3666万ドル(1株当たり21セント)で、前年同期(1億4464万ドルの赤字)より赤字幅が縮小した。純損失は前期に続き、株式報酬費や買収関連コストの影響が大きい。そうした特別費用などを除いた非GAAPベースでは4852万ドルの黒字(1株当たり7セント)だった。

 売上高、非GAAPベースの1株当たり純利益ともに、アナリスト予測(売上高4億8100万ドル、純利益は1株当たり4セント)を上回った。

 6月に暫定CEOに就任したジャック・ドーシー氏は発表文で「第2四半期は収益化という点では順調だったが、オーディエンスの成長には満足していない。われわれは3つの主領域──規律ある実行、Twitterの価値をより早く提供するためのサービスの簡易化、その価値の伝え方──を改善する必要がある」と語った。

 月間アクティブユーザー数(MAU)は前年同期比15%増の3億1600万人。前期からは0.5%増と、増加率の鈍化が進んでいる。モバイルからのMAUがMAU全体に占める割合は前期と変わらず80%だった。同四半期に増加したMAUのうち、多くがSMSフォロー(アカウントを作らずにTwitterのコンテンツを携帯端末で受け取る方法)のユーザーという。

 twitter 1 MAUの推移

 広告による売上高は前年同期比63%増の4億5200万ドル。モバイル広告が広告収入全体に占める割合は前期より1ポイント減の88%だった。

 データのライセンシングなどからの売上高は44%増の5000万ドル。米国外からの広告売上高が全体に占める割合は2ポイント増の36%だった。

 twitter 2 売上高推移

 今後の見通しについては、第3四半期の売上高を5億4500万〜5億6000万ドルとした。2015年通年の売上高を前期に発表した21億7000万〜22億7000万ドルから22億〜22億7000万ドルに修正した。

 業績発表後の電話会見でアントニー・ノトCFOは、ユーザー数が伸びないのはTwitterの価値を十分に伝えきれていないことが原因だとし、アーリーアダプターだけでなくマスマーケットにユーザーを拡大するために製品を改善し、CMO(最高マーケティング責任者)を採用すると語った。

 正式CEO探しの進捗についての質問に対しては、まだ検討中で決定時期も発表できないと答えた。ドーシー氏は、“3つの主領域”について再度触れ、その実現に専念すると語った。

 同社は電話会見の様子をPeriscopeでライブ中継した。

 twitter 3 Periscopeでの中継。右がジャック・ドーシー氏

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