個人情報の保護なんて気にしないあなたへ半径300メートルのIT(1/2 ページ)

2016年1月1日からマイナンバー制度が始まりました。これから時代は個人情報の活用がより多方面へ広がっていくかもしれません。個人情報保護を考える2つの読みものをご紹介します。

» 2016年01月05日 07時30分 公開
[宮田健ITmedia]

 新たな年がスタートしました。2016年もこの「半径300メートルのIT」をどうぞよろしくお願いいたします。

 もともと、この連載は「ITなんて苦手だよ」といいながらスマートフォンを使って調べ物をするような、新しい“普通の人たち”のために、知っておくことでちょっとだけ安全や安心を学べることを、ささっと読める分量でお伝えすることを想定して始まりました。遠くの話ではなく、より身近な距離にあるITを題材にしています。

 その連載の中で、分量的にも内容的にも取り上げにくいことがあります。それは“個人情報保護の重要性をいかに伝えるか?”という問題です。

「自分の個人情報? 大したこと書いてないからいいよ(笑)」

 個人情報の保護は誰もが大事なことだと考えている――とは、とてもいいにくい状況です。昨今、個人情報漏えいのニュースが報じられることは本当に多くなりました。特に「クレジットカード情報の漏えい」ですと、自分の金銭に直結し、カード番号のアップデートが必要だという手間がありますので、“自分ごと”として理解できます。

 しかし、例えば自分の行動情報などが取得、活用されることについては、「個人情報保護として問題がある」と考える人がいる一方、「そのくらいはいいじゃないか」と考える人も一定数存在します。おそらくその根底には、「自分なんかは秘密もないし漏れて困る情報なんてない」という考え方があるのではないかと、私は考えています。

 いまも、個人を特定するテクノロジーを使い、あなた自身を特定したうえでビジネスが行われています。例えば、「Webの広告」。新しいPCを買おうと、特定の機種名を検索したとたん、過去に検索したものに対するバナー広告が頻繁に表示されます。これはあなた自身を特定し、「この人はPCをほしがっている」という“個人情報”を使い、ビジネスを回しているわけです。個人情報というと名前、住所、連絡先だけを考えがちですが、個人を識別する情報こそが個人情報なのです。

個人情報の保護に関する経済産業省のガイドライン
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