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» 2016年03月31日 08時00分 UPDATE

プロマネ1年生の教科書:なぜ人はプロジェクトの“約束”を守らないのか? (1/2)

自らが決めたことをどう守っていくか、そしてその内容をどうやってメンバーに守らせるか、これはプロマネの「覚悟」と「責任」が問われる重要な要素です。最善の結果につながるよう、意思を貫く方法を把握しましょう。

[岩淺こまき,ITmedia]

連載:プロマネ1年生の教科書

 現代のプロジェクトマネジャーは、昔よりも難しいといわれています。多様な人材や混沌とした状況に苦しみ、「自分は向かない」と自信を失うこともあるでしょう。この連載は、プロマネになりたての人や、役職に就いたが“やることが山積みで、関係者の間で日々翻弄されている”人が、限られた権限やリソースの中で「ヒューマン/ビジネススキル」を使ってチームをよい状態へ導くことをテーマに、さまざまなスキルや活用法をご紹介します。

 対人スキルに優れたプロジェクトマネジャーが使いこなす“7つ道具”を紹介する本連載。今回は残る2つのスキルのうち、「意思決定を行い、守らせるスキル」を紹介していきます。

 プロジェクトや仕事にはさまざまな「決定事項」があります。タスクの納期や質、コスト、仕事の進め方、自分のミッション、役割、チームの方針、会社の方向性など、細かいものから大きなものまでさまざまです。

 しかし、こうした決定事項を決めても、それが守られるかはまた別の話。いつの間にか約束がなかったことになっていたり、“なあなあ”になっていたり。そんな経験はありませんか? 自らが決めたことをどう守っていくか、そしてその内容をどうメンバーに守らせるか――。これはプロマネの「覚悟」と「責任」が問われる重要な要素といえるでしょう。

 決められた物事を守り守らせ、そして高いパフォーマンスを発揮するよう導くのがプロマネの仕事です。今回から数回にわたって、その方法を紹介していきます。

なぜプロジェクトの“約束”は守られないのか?

 そもそも、なぜ人(メンバー)は決定事項を守らないのでしょうか。

 理由はさまざまだとは思いますが、決定事項に対する“納得感”がないまま進んでいることが原因であるケースは多いです。プロマネ自身は物事を自分で決めることが多いため、決定事項に対する納得感は得やすい環境にあります。しかし、決定のプロセスに参加できないメンバーは、どうしても“やらされ感”が伴いがちです。

 たとえプロマネでも、会社や顧客からの決定事項が単に降ってくるだけであれば、やらされ感を感じるでしょう。経験豊かな方であれば、与えられたミッションを“自分ごと”として意味付けし、メンバーに展開する中で納得感を得ていくとは思いますが、メンバーの中にはそのプロセスを踏めない(そもそも踏むことを知らない)人たちもいるわけです。

photo 約束が守られないケースで多いのは、決定事項に対する納得感を持っていなかったというものです

 では、メンバーが納得感を得るにはどうすればいいのか。端的には、この“決定のプロセス”に関わらせることですが、そこにはさまざまな工夫が必要になります。

 例えば、プロマネがメンバーへタスクを振る場合、納得感を引き出す最も効果的なのは「何をどうするか、メンバーに自ら決めてもらう」ことです。これはコミットメントと呼ばれる手法で、人は自分が関わり決めたことに対して、責任感が生まれる習性を利用したものです。

 だからこそ、決めごとについてはなるべくメンバーの意見を取り入れるのが大事――というようなこともいわれるわけですが、全ての決定事項について、メンバーの意見を取り入れたり、意思決定のプロセスに参加させるわけにもいきません。時間的にも効率的にも現実的ではないでしょう。では、どうすればよいのでしょうか。

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