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» 2016年05月23日 10時00分 UPDATE

Weekly Memo:IBMと真っ向勝負? MSが「コグニティブ」に本腰、勝算は? (1/2)

マイクロソフトがAI分野の新たな取り組みとして「コグニティブサービス」を始動した。「コグニティブ」と言えばIBMが先行してビジネス展開しているが、果たして真っ向勝負となるか?

[松岡功,ITmedia]

AI関連APIを「マイクロソフトコグニティブサービス」として提供

Photo 米Microsoft副社長で同社の研究開発機関であるMicrosoft Research Asiaのトップを務める洪小文(Dr.Hsiao-Wuen Hon:シャオウェン・ホン)氏

 「マイクロソフトの製品・サービスはこれまで、業務をはじめ人間が行うさまざまな活動の生産性向上を支援してきた。それをさらにパワーアップさせるために、私たちはAI(人工知能)技術の研究開発に取り組んでいる」

 こう語るのは、米Microsoft副社長で同社の研究開発機関であるMicrosoft Research Asiaのトップを務める洪小文(Dr.Hsiao-Wuen Hon:シャオウェン・ホン)氏だ。同社のAI分野における研究開発の取り組みについて、筆者の取材に応じた。

 洪氏によると、マイクロソフトは同氏が語った考え方に基づいて、1991年からAI技術の研究開発に取り組んできた。「当初は現実とのギャップが大きい取り組みだったが、当社は25年にわたってAI技術の研究開発に投資し続けてきた。それが最近になってコンピュータやネットワーク技術の進化とともに、実用化できる形になってきた」という。

 その実用化を促進するために、マイクロソフトがこのほど本格的に始動したのが、「マイクロソフトコグニティブサービス」である。内容は、同社がこれまで研究開発に取り組んできた「Vision(視覚)」「Speech(音声)」「Language(言語)」「Knowledge(知識)」「Search(検索)」の5つのコグニティブ(認知)領域において、図1に示した個々の技術のAPIを提供するものだ。これにより、AI技術の応用に携わる開発者やIT技術者は、同社のWebサービスを通じて一定範囲なら無料で必要なAPIを入手することができる。

Photo 図1:マイクロソフトコグニティブサービスの概要(出典:洪氏より資料提供)

 ちなみに、マイクロソフトのAI技術といえば、Windows 10に搭載されたパーソナルアシスタントの「コルタナ」や、LINEチャットの相手をしてくれる“女子高生AI”チャットボットの「りんな」が一般ユーザーの間で話題を呼んでいるが、これらも上記のサービスの中から必要な要素技術を組み合わせて、同社がアプリケーションとして提供しているものである。

 だが、洪氏によると、同社はあくまでも要素技術の研究開発とそのサービス展開にこだわるという。それは、「マイクロソフトは生産性向上を支援するためのプラットフォームを提供するのが使命」という考え方に基づいているからだ。AI分野でもプラットフォームとなる要素技術を提供して幅広く活用してほしい、というのが同社の基本的なスタンスのようだ。

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