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» 2016年06月07日 07時00分 UPDATE

成迫剛志の『ICT幸福論』:“攻めのIT”ができる情シスになるために(4)

「うちの情シス、ダメで……」という話を耳にした著者が、その処方箋として「デジタルビジネス時代に対応する“攻めのIT”ができる情報システム部門への改革」を考察。第4回は、「情報システム部門と所属している人材の評価軸」と「技術・商品・サービスの選定ポリシー」について考える。

[成迫剛志,ITmedia]

この記事は成迫剛志氏のブログ「成迫剛志の『ICT幸福論』」より転載、編集しています。


  • 第1回は、“攻めのIT”の背景と、改革のための検討要素として「情報システム部門の位置付け」について考えてみた。
  • 第2回は、検討要素の2つ目として、「情報システム部門業務の内製とアウトソース」について整理した。
  • 第3回は、検討要素の3つ目として「情報システム部門の人材」について整理した。「どのような人材が情報システム部門に所属しているか?」という考察は、「どのような経歴・知見を持った人が情報システム部門のトップに着くべきか?」といった情報シス部門全体に大きな影響を与える判断要素としても重要と思われる。

 今回は、検討要素の4つ目として「情報システム部門と所属している人材の評価軸」について、さらに5つ目として情シス部門における「技術・商品・サービスの選定ポリシー」について整理する。

4. 情報システム部門と所属している人材の評価軸

 情報システム部門とその部員の評価がどのような軸で行われているかという点も確認しておきたい。これについては、インターネット総合研究所の西野大氏に以下のような指摘をいただいた。

評価の軸の問題。減点法か? 加点法か?「システムが動かないときにクレームが来るだけで、動いていることが評価されない」ような減点法の評価では、IT部門は新しいことにチャレンジしなくなります。当たり前ですけど、当たり前ができていないのが、今の状況。

 まさにその通りで、企業の情報システム部門に限った話ではなく、日本のIT業界全体の多くの部署でも同じような問題があるように思う。

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 「システムトラブルをゼロに」「ミスをゼロに」という目標を掲げている情報システム部門は少なくないのではないだろうか? そして目標の達成度評価をする際は、「いかにトラブルゼロ、ミスゼロに取り組み、トラブルやミスを未然防止したか」という“起こらなかったこと”に対する定性的な、または推測的なプラス評価・加点評価はあまりなされず、「トラブルやミスの件数」をカウントしたり、「トラブルやミスの影響度」を評価したりして、マイナス評価・減点評価を行うケースが多いのではないだろうか?

 こう言われると、「そんなことはない」と答える管理職がほとんどだと思うが、実は、現場での評価結果の傾向としては減点法で評価されてしまっているのが実態だと思う。

 そして、このような評価制度の下では、自ら新しいことにチャレンジをして失敗するよりも、必要最低限のことだけをミスなくする方が相対的に評価が高くなり、“賢い人たち”はそう振る舞うことになってしまう。また、新しいことにチャレンジして失敗した人に対して周りがバッシングするようなことも起こったりする。

 難しいことではあるが、評価の軸も“攻め”にする必要があるだろう。

5. 技術・商品・サービスの選定ポリシー

 情報システム部門の方針で、または明確な方針ではないものの「長年そうしてきたから」ということで、利用する技術、購入する製品・サービスの選定に当たって“大きなポリシー(のようなもの)”があると思われる。大きく以下の3タイプに分類されるように思う。

(1)スイート指向、単一ベンダー指向

(2)ワンストップ指向

(3)ベストオブブリード指向


(1)スイート指向、単一ベンダー指向

 安全性、安定性を最重要視し、単一ベンダーの製品・サービス、できれば同一製品群のスイートを利用。その都度、比較検討しなくても済み、また組み合せによる問題や障害(いわゆる相性問題)も起こりにくい。保守・運用などのさまざまな作業に対応する内部人件費も含めて考えると、「トータルコストは安いですよ!」というTCOの削減(というセールストーク?)に乗ることでもある。

(2)ワンストップ指向

 単一ベンダー製品ではないものの、いわゆるワンストップサービスを提供する単一の会社から製品・サービスを購入するケース。第2回で触れた“情報システム部門のリソースが少ない、知識やノウハウが少ない”といった状況の場合、よりワンストップを指向するケースが多いように感じる。

(3)ベストオブブリード指向

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 調達・選択の度に比較検討を行い、最良のハードウェア、ソフトウェアやサービスを選択し、それらを組み合せで利用するアプローチ。プロジェクトごと、適用領域ごとにベンダーの比較や製品比較を行うことももちろんだが、同一プロジェクト、同一システムの構成検討においても、その構成要素ごとに最良の製品・サービスを選択し、組み合せてシステムを構築することを指向するケースである。

 情報システム部門内部にそういうことができる人材がいるというケースが多いが、検討の都度、ワンストップで受けてくれるベンダーを選択し、それぞれを丸投げするというやり方もありそうだ。

著者プロフィル:成迫剛志

SE、商社マン、香港IT会社社長、外資系ERPベンダーにてプリンシパルと多彩な経験をベースに“情報通信技術とデザイン思考で人々に幸せを!”と公私/昼夜を問わず活動中。詳しいプロフィルはこちら


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