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» 2016年06月15日 08時00分 UPDATE

古賀政純の「攻めのITのためのDocker塾」:第24回 非Linux環境のDocker FreeBSDで実際に動かしてみると…… (1/7)

非Linux環境におけるDockerの利用が注目されつつあります。今回はIoT時代の主役になるかもしれないBSDの環境で実際にDockerを動かし、その様子からどんなことが分かるのかについて解説します。

[古賀政純(日本ヒューレット・パッカード),ITmedia]

未踏「Docker on FreeBSD」の世界へ

 前回、FreeBSD でDockerを動かす「Docker on FreeBSD」が注目されている理由を紹介しました。「Docker on FreeBSD」については、2016年9月頃に登場するFreeBSD 11.0でサポートが予定されています。まだOS自体が開発版ですので、今回はFreeBSDにおけるDockerの最新技術情報について、具体的な手順を交えながら紹介したいと思います。

DockerとFreeBSDの組み合わせに関する様々な疑問

 技術的な調査に入る前に、思い浮かぶ素朴な疑問を挙げてみます。まず、DockerとFreeBSDの関係について考えると、幾つかの疑問が浮かんできます。

  • 疑問1:そもそもFreeBSDでDockerは必要なのか? 昔から存在するFreeBSD Jailではダメなのか?
  • 疑問2:DockerエンジンはFreeBSDでキチンと動くのか?
  • 疑問3:FreeBSDがホストOSの場合、LinuxのDockerコンテナでアプリは動くのか?
  • 疑問4:LinuxがホストOSの場合、FreeBSDのDockerコンテナでアプリは動くのか?
  • 疑問5:そもそもFreeBSDのDockerイメージは存在するのか? インターネットから入手できるのか?

 疑問1について、FreeBSDの世界ではOSのリソースを分離するFreeBSD Jailが有名です。FreeBSD Jailは、非常に優れた機能を提供し、開発者の間でも重宝されています。しかし2016年現在は、Linux系のDocker環境に見られるような複数の物理マシンを束ねたクラスタ化(Docker Swarmで実現)や、負荷に応じた複数コンテナの連携とスケール(Docker Composeで実現)といった周辺ソフトウェアが注目されています。これらのソフトウェアを駆使するヘテロ(異種混在)OS環境を視野に入れたコンテナ基盤の実現という点では、FreeBSD Jailのみで対応するのではなく、どうしてもDockerを考慮せざるを得ません。

 もちろん個人の開発環境のように、1台の物理マシン上で計算資源を分離するという用途に限定すれば、Dockerを使わずにFreeBSD Jailだけでもかまいませんが、企業向けのIT基盤としては、かなり限定的なものになってしまいます。

 欧米における「コンテナ化の新潮流」では現在、膨大な数のOS環境やアプリがDockerコンテナ化されています。欧米や日本を取り巻くIT基盤のDockerコンテナ化の流れや、エンタープライズ向けのマルチホストのコンテナ環境、ヘテロ環境でのアプリの開発・同時稼働、周辺ソフトウェアの発達、LinuxのDocker環境でのさまざまな成果物や計算資源の有効利用を総合的に考えると、「FreeBSDにおいてもDockerの利用をある程度検討すべきである」というのが、筆者の意見です(※)。

(※)ただし、現時点でDocker Swarm、Docker Composeは、FreeBSDに正式に対応していません。また、全く別のソフトウェアの登場により、FreeBSD対応のコンテナ向けの周辺ソフトウェアが登場する可能性もありますので、FreeBSD JailとDockerを単に機能的な差異で比較するのではなく、利用可能な範囲、得手不得手、学習コスト、ソフトウェア自体の成熟度を知った上で使い分けることが得策です。


 FreeBSDにおけるDockerの対応状況について、基本的な情報収集をしましょう。以下のURLに情報が記載されています。

 このWebサイトには、DockerをFreeBSDで稼働させる手順や情報のリンクが掲載されています。FreeBSDにおけるDockerの対応状況ですが、2016年5月現在でDockerを稼働させることができるFreeBSDのバージョンは、安定版の10.2-RELEASE以上と開発版の11.0-CURRENTです。本稿では直近に本番環境で利用することを想定して、10.3-RELEASEでDocker環境を構築し、機能を確認してみます。

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