そもそも、パッケージソフトとSIを混同してはいけない【新連載】失敗しない「外資系」パッケージソフトとの付き合い方(1/3 ページ)

読者の皆さんは、パッケージソフトの導入で失敗したことはありませんか? うまく使えばスピード導入につながりますが、一歩間違えるとコストは増えるわ、時間はかかるわで大変なことになります。この連載では、そうならないための注意点やコツを紹介していきます。

» 2016年10月24日 08時00分 公開

 「標準機能をメインで使うはずが、カスタマイズを重ねてめちゃくちゃに」「機能の一部しか使えずに塩漬け」「日本語対応の意味を取り違えて大失敗」――。

 これらの話は外資系パッケージソフトウェアを導入する際にありがちな失敗談です。昨今は、ビジネス環境が変化するスピードに合わせるため、既成品である「パッケージソフトウェア」を採用してITシステムを構成する企業も増えています。

 特に米国に本社を置くような、外資系企業のパッケージソフトは、業界標準や先端テクノロジーに魅力を感じる企業にとって有力な選択肢の1つですが、導入の際につまづいてしまう企業が多いのも事実です。

 そこで本連載では、私が日本ヒューレット・パッカードで学んだ経験から、「失敗しない『外資系』パッケージソフトウェアとの付き合い方」として、注意点やうまく導入するためのコツを伝えていければと思います。

そもそも「パッケージソフトウェア」ってなに?

 導入のポイントに触れる前に、「外資系パッケージソフトウェア」とは何かをきちんと説明しておきましょう。読者の皆さんはパッケージソフトと言うと、何を思い浮かべますか?

 「Microsoft OfficeのWordとかExcelとか、PowerPointみたいなのでしょ」と思った方、もちろんそれも正解です。家電量販店などでDVD-ROMと取扱説明書、保証書が入って売られている箱です。最近はWeb上で決済し、ダウンロードして使えるケースが主流になりつつありますね。家庭用ゲームもパッケージソフトウェアと言えます。

photo パッケージソフトウェアの定義と例

 開発者がソースコードを書いてソフトウェアを作り、それに価格を付け、量販店やオンラインショップといったチャネルを使って販売する。利用者はそれを購入し、自身のコンピュータにインストールして使う。それが「パッケージソフトウェア」です。誰でも一度は体験したことがあるでしょう。

 そんなパッケージソフトウェアの最大の利点は何でしょうか。

 当たり前ではありますが、あなたがプログラムを書けなくても、やりたいことを実現できることです。コードを書かなくてもWordを買えば文書が作れる、ゲーム機とゲームソフトを買えば楽しく遊べる。自分でコードを書くという時間と手間を(そして、作り手の創造力やセンスを)買っているというわけです。

 では、ここで皆さんに1つ質問をしたいと思います。

photo パッケージソフトウェアができてから利用者の手元に届くまで
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