シリコンバレー見聞録 無人レストラン「Eatsa」に行ってみた柴崎辰彦の「モノづくりコトづくりを考える」(1/2 ページ)

IT起業の聖地といわれるシリコンバレーで見聞きした刺激的かつ興味深い体験から、注目のポイントを紹介。“その2”は、デジタルな無人レストランEatsaでの“デジタル・ランチ・エクスペリエンス”です。

» 2017年01月07日 08時00分 公開
[柴崎辰彦ITmedia]

この記事は柴崎辰彦氏のブログ「柴崎辰彦の「モノづくりコトづくりを考える」」より転載、編集しています。


 UberやAirbnbなど破壊的なイノベーションを起こす企業が生まれる街が、サンフランシスコを中心とした通称“Bay Area”と呼ばれる地域です。そのサンフランシスコの中心地にあるオフィス街の一角に新しいレストランがオープンしていました。

デジタル・ランチ・エクスペリエンス

 Eatsa(イーツァ)は、今サンフランシスコで最も有名なデジタルレストランです。一見、街のファストフードショップのようです。近くにはSalesforceのオフィスもあります。ちなみにSalesforceは新本社を建設中で、完成するとサンフランシスコ一番の高さを誇るビルになるそうです。

 Eatsaでのオーダーは、スマートフォン上の専用アプリや店頭の専用端末から好きなメニューをオーダーします。支払いは、基本クレジットカードです。

 メニュー表示はこんな感じです。私は、野菜がたくさん入ったヘルシーな「Alohaボール」を注文しました。お代は6.95ドルです。

ALTALTALT 左:Eatsaのエントランス 中央:オーダー端末 右:メニュー画面

 店内は、まるでAppleストアの雰囲気です。手前のオーダー端末でエントリーして、奥の明るいボックス(取り出しスペース)から受け取ります。お客さま以外の人、すなわち店員は、一切いません。

ALTALT Eatsaの店内の様子

 コインロッカーぐらいのスペースに透明な扉がついています。注目すべきはこの扉で、自動的にお店のイメージ画像を表示していたかと思うと、料理がセットアップされると、ご覧のようにオーダーした人の名前が表示されます。

 扉を開けるには、右上のエリアを2回タップすると自動的にオープンします。この開閉作業は、オーダーした人を識別しているわけではないので、取り間違いが発生する可能性があります。

ALTALT 左:取り出しスペース 右:出来上がった料理

 「Alohaボール」のラッピングにも私の名前が印字されています。妙にうれしい気分です(笑)。このあたりのユーザーエクスペリエンスの演出が憎いですね。“あなたのために作りました!”というメッセージが溢れています。

 少々大味の感はありますが、野菜がたくさん入っており、ヘルシーなサラダランチという感じでしょうか、ご飯の入ったどんぶりとは異なる食べ物です。

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