IPA、重要インフラのセキュリティ人材を育成へ 30社以上が参加

新設される「産業サイバーセキュリティセンター」で、7月から重要インフラや産業基盤分野のセキュリティ人材を育成するプログラムを実施する。

» 2017年02月08日 16時17分 公開
[ITmedia]

 情報処理推進機構(IPA)は2月8日、7月に重要インフラや産業基盤分野でのセキュリティ人材を育成する教育プログラムを開始すると発表した。2月20日から受講者の募集を始める。

 この取り組みは、IPAが4月に新設する「産業サイバーセキュリティセンター」の人材育成事業として実施されるもの。同事業では社会インフラや産業基盤分野の事業者でセキュリティ対策を担える人材の育成を目的にしている。情報系システムや制御系システムを想定した模擬プラントによる演習や、最新のセキュリティ技術の習得、他業界のセキュリティ責任者や専門家、海外との交流、経営層らにサイバーセキュリティを啓発できるようにするためのトレーニングや情報発信などを行う。

 教育プログラムでは「短期プログラム」と「中核人材育成プログラム(仮称)」の2種類が提供され、短期プログラムでは、経営層や部門長、責任者クラスが対象のトレーニングを年数回実施するという。

 中核人材育成プログラムでは、制御系システムや情報システムの技術と、マネジメントやビジネスを総合的に学ぶ約1年間のトレーニングを実施。自社システムの安全性や信頼性を客観的に評価して、自社のサイバーセキュリティ戦略の立案や経営リスク・財務リスクなどを自社の幹部に説明できるなどのスキルを育成する。受講料は300万円(税込)となっている。

中核人材育成プログラム(仮称)のカリキュラム
中核人材育成プログラム(仮称)の概要

 中核人材育成プログラムに応募できるのは、企業では原則として社会インフラおよび産業基盤に関連する企業や機関と、それらの連結および持分法適用会社が対象。個人は、対象企業に所属して当該企業からの推薦状を提出できる日本国籍保有者となる。募集期間は3月3日まで。電子メールもしくは電話で受け付ける。IPAによれば、電力やガス、鉄道、自動車、不動産など30社以上が参加する予定という。

 産業サイバーセキュリティセンターは、制御システムの安全性や信頼性を検証する事業と、サイバー攻撃情報の調査・分析事業も手掛ける計画。センター長には、日立製作所の中西宏明取締役会長が就任する。

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