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» 2017年02月10日 08時00分 UPDATE

Azure漫遊記:5分で分かる「Microsoft Azure」 (1/2)

Microsoftのパブリッククラウドである「Microsoft Azure」は、2017年でサービス開始から7周年を迎える。本連載では自社の基幹システムや業務システムをオンプレミスサーバで運用しながら、クラウドへの移行タイミングを探りつつある担当者向けに、Azureの実装方法や事例を紹介する。

[阿久津良和,ITmedia]

この連載は

基幹システムや業務システムをオンプレミスサーバで運用しながら、クラウド移行のタイミングを探っている企業のIT担当者向けに、Microsoftのパブリッククラウド「Microsoft Azure」を活用する際のポイントや事例を紹介する。


 AWSの一人勝ちといわれるクラウド市場に今、殴り込みをかけているのが「Microsoft Azure」だ。コネクテッドカー向けプラットフォームや機械学習を採用した予測分析ソリューション、知的財産侵害訴訟のリスクを軽減するプログラムなど、相次いで新たな機能を実装して注目を集めている。

 日本マイクロソフトはAzureを、「分析やコンピューティング、データベース、モバイルなどを統合したクラウドサービスのコレクション」と位置付けており、迅速なビジネス展開やコスト削減を可能にするものとしているが、その機能は多岐にわたり、最近ではブロックチェーン関連の機能まで提供するなど、その全容を知るのはなかなか難しい。

 そこで、まずはAzureの特徴を把握するために、日本マイクロソフトの業務執行役員でクラウド&エンタープライズビジネス本部 本部長を務める佐藤久氏に話を聞いた。

Photo 日本マイクロソフト 業務執行役員 クラウド&エンタープライズビジネス本部 本部長 佐藤久氏

ソフトウェア化する世界を支えるクラウド

 Microsoftは、世界の32リージョン(データセンター群が所在する地域)でAzureを稼働させており、今後6リージョンを追加する予定だ。これらのデータセンター同士を結ぶ光ファイバーは225万kmにもおよび、全てをつなげると地球を約56周する長さに匹敵するという(2017年1月末時点)。日本には、東日本と西日本にデータセンターがある

 サービス群はAzureのWebページで紹介しているものを数えると86種類に達し、さらにその数は日々増えている。先ごろ日本マイクロソフトが開催した発表会で、米Microsoft Cloud and Enterprise Groupのゼネラルマネジャーを務めるマーク・ソウザ氏は、大くくりにしない機能やサービスは"直近12カ月間で約600にのぼる"と説明し、Azureが常に進化するパブリッククラウドであることをアピールした。

Photo 世界各国のデータセンター間に設置した光ファイバーの配置図

 現役の開発者でも全容を追うのが困難なほど巨大化しているAzureだが、利用に当たっては、「機能ベースではなく、経営課題やビジネス課題ベースで考えてほしい」と佐藤氏。その理由はAzureは“IT屋のためのIT基盤ではない”からだ。この発言の背景には、企業におけるパブリッククラウドの活用が変化している現状があるという。

 クラウド活用といえばよく耳にするのが、「業務の効率化」といった効果、あるいは「100%クラウド化」といった先進的な手法などのキーワードだが、佐藤氏は、「既にクラウドを使った効率化から、クラウドによるイノベーション(革新)創造にシフトする時代に入った」と説明する。

 大手調査会社のリポートでは、米国の「Global 500」に挙がる企業の90%以上が、自社の経営ノウハウを生かした産業特化型クラウドにシフトすると予測しており、サービスのビジネスモデルはソフトウェア化に向かっている。ソフトウェア化するサービスとクラウドは相性が良く、それが今後のイノベーションの創出につながるというのが最近のトレンドだ。それはGE CEOのジェフリー・イメルト氏も「ソフトウェア企業へ進化する」と多方面で発言していることからもうかがえる。

 こうした背景から佐藤氏は、「これからは産業特化型クラウドが旬になり、各種業界企業が持つノウハウをいかにクラウドで拡大していくかがトレンドになる」という見方を示している。

Photo Azure上に用意された代表的な機能

 

 日本マイクロソフトが目指すのは、「オープンなパブリッククラウドサービス」だと佐藤氏。「それを目指さないと、われわれの目標である『クラウドサービスを使っているという感覚がなく、蛇口をひねると水が出るような存在』を実現することはできない。だからこそAPIの拡充や競合相手との連携など、(情報や知識、構造やパターンを固定化せず、常に変動しながら成長する)オープンネス化を推進している」(佐藤氏)とAzureの方向性を示した。

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