RPAやAIで生産性を向上する「ワークスタイル変革ソリューション」 日立ソリューションズから社内実験で作業時間を7割削減

日立ソリューションズ(日立SOL)は、RPAやAIなどを活用して働き方改革の推進を支援するソリューションを発表。海外で大規模RPAの実績を持つ、米Automation Anywhereのエンタープライズ向けRPAも活用する。

» 2017年07月04日 13時00分 公開
[金澤雅子ITmedia]

 日立ソリューションズは7月3日、RPA(Robotic Process Automation)やAI、IoTを活用して、企業の働き方改革を支援する「ワークスタイル変革ソリューション」の提供を開始すると発表した。

 今回、既存ソリューションに加えて、米Automation Anywhereと販売代理店契約を締結し、「Robotic Process Automation 業務自動化ソリューション」を2017年7月4日から提供。また、社内システムやRPAと連携し、スマートデバイスやPC上で業務をチャット型で支援する「AIアシスタントサービス」を7月20日から提供する。

Photo 「ワークスタイル変革ソリューション」の構成ソリューションのロードマップ

 「ワークスタイル変革ソリューション」は、「社員の柔軟な働き方」「組織の生産性向上」「人財の管理・分析」「パーソナルライフの充実」の4分野でソリューションを提供するソリューション群。

 例えば、社員の柔軟な働き方の分野では、「Office 365」や「Skype for Business」を活用したコミュニケーション基盤や、テレワークの実現などを支援する仮想デスクトップ環境の導入ソリューションなどを提供する。また、人財の管理・分析の分野では、同社の人事総合ソリューション「リシテア」をベースに、AIを人事・労務管理に取り入れて分析、診断するサービスなどを提供。

 そして、組織の生産性向上の分野では、RPAとAIを活用した新ソリューションを提供する。

 Robotic Process Automation 業務自動化ソリューションは、グローバル企業500社以上で導入され、1社あたり100以上のロボットを稼働させるなど、大規模な導入に実績を持つAutomation Anywhereのエンタープライズ向けRPA「Automation Anywhere Enterprise」を活用。人手によるさまざまな作業をロボットに代行させることで、業務効率や生産性の向上を支援する。

 Webシステムだけでなく、SAPのERP製品などのクライアントアプリケーション、UNIXなどに対応し、さまざまな業務システムを利用したルーチンワークや間接業務を自動化できるという。また、画面操作を簡単に記録するだけで、ロボットを自動生成できるなど、ロボット開発が容易なインタフェースを装備するほか、ロボットの稼働や進捗状況は統制管理され、ロボットの稼働時間や金額換算をレポートで確認できるため、ROI(投資対効果)や業務改善結果の把握が容易に行えるという。

 日立ソリューションズでは、検証を兼ねて自社の営業部門の受発注処理に同ソリューションを導入したところ、作業時間を約70%削減できたとしている。

Photo 「Robotic Process Automation業務自動化ソリューション」を自社で導入したところ、作業時間を7割削減できたという

 AIアシスタントサービスは、MicrosoftのSkype for Businessで稼働するAIチャットボットで、スマートデバイスやPCからの入力内容を自然言語で理解し、情報検索や業務の遂行などを支援する。Office 365などのクラウドサービスとの連携や、CRM(顧客管理)との連携による顧客情報や資料の検索、RPAとの連携による事務処理の実行など、さまざまな業務を自然言語の入力だけで行えるようになるという。

 同社は今後、AIを活用したサーベイサービスや、IoTセンサーを活用した労務管理などのソリューションを追加するなど、パーソナルライフの充実を支援するソリューションを開発し、ワークスタイル変革ソリューションのメニューを拡充していく方針で、2020年度に同ソリューション全体で150億円の売上を目指すとしている。

 価格は、Robotic Process Automation 業務自動化ソリューションのベースライセンスが1カ月あたり100万円、これにPC1台あたり月額8万円のライセンス料金がかかるという。AIアシスタントサービスについては、初期構築費用が200万円からで、利用料金は最大100ユーザーで月額100万円。「100ユーザーを超える場合は、1ユーザーあたり月額1000円を予定している」(日立ソリューションズ)という。

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