NECがIAサーバ「Express5800」の新モデルを発表。8月から順次販売する。新たに純正のGPUボードなども用意し、「RAPID機械学習」や顔認証技術「NeoFace」などのAIを活用したソリューションが、より高速に処理可能になる。
NECが2017年7月25日、IAサーバ「Express5800」の新ラインアップとして、IntelのXeonプロセッサScalableファミリーを採用したモデルを発表した。純正オプションのGPUボードを搭載できるモジュラーサーバ1モデルと、2Wayラックサーバ2モデルを用意しており、8月から順次販売する。
モジュラーサーバ「Express5800/D120h」は、2Way 1Uラックサーバと同等の性能と拡張性を持つ、2Uサイズに4ノードを搭載できる高密度型モジュラーサーバ。最大26コアのXeon Scalableプロセッサが選べ、1ノードあたり最大2Tバイトのメモリを搭載可能。従来モデルと比べて約25%の性能向上を実現している。大規模な仮想化統合基盤やハイパーコンバージドインフラなど、高集積を求められるニーズに合うという。また、AI処理向けにGPUボードを搭載可能な、2Uサイズに2ノードを搭載できる製品も新たにラインアップしている。
2Way 1U/2Uラックマウントサーバの「Express5800/R120h-1M」と「Express5800/R120h-2M」は、最大28コアのXeon Scalableプロセッサを採用したモデル。従来モデル比で約50%の性能向上を実現している。R120h-2Mでは内蔵ストレージを最大30台、R120h-1Mでは内蔵ストレージを最大11台搭載できる。中・大規模のデータ処理基盤やサーバ仮想化統合基盤、ハイパーコンバージドインフラに適した製品だ。
製品/サービス名 | 希望小売価格(税別) | 出荷開始日 |
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Express5800/D120h | 37万5000円〜(※1) | 2017年9月26日 |
Express5800/R120h-1M | 56万8000円〜(※1) | 2017年8月23日 |
Express5800/R120h-2M | 64万0000円〜(※1) | 2017年8月23日 |
※1最小構成価格。D120hは1ノード分の価格 |
新モデルでは、これまでSIerなどで個別に対応していたGPUの組み込みを正式にサポートしたことから、「RAPID機械学習」の画像解析版でGPU処理に対応。GPUを活用すると、学習や予測処理を、CPUだけで実行する場合に比べて約10倍高速に行える。画像認識機能を活用した工場での検品作業など、大量データの高速処理が必要なシーンで大幅な高速化が期待できる。
製品/サービス名 | 希望小売価格(税別) | 出荷開始日 |
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NEC Advanced Analytics - RAPID機械学習(画像解析V2.1 GPU版) | 2250万0000円〜(※2) | 2017年8月1日 |
NEC Advanced Analytics - RAPID機械学習(画像解析V2.1 CPU版) | 375万0000円〜(※2) | 2017年8月1日 |
※2最小構成価格 |
また顔認識AIエンジン「NeoFace」を活用したソリューションには、FPGAを用いた専用ハードウェアアクセラレータ「NeoFace Accelerator」も新たに開発。顔検出を最大20倍高速化できるという。リアルタイム顔認証ソフトウェア「NeoFace Watch」とこの専用アクセラレーター、それに4Kカメラを組み合わせることで、空港やスタジアムなどの群衆に紛れた迷子などの発見も容易になる。またこれまでは、1台のカメラの映像認識に1台のサーバが必要だったが、このアクセラレータを使うと、複数のカメラからの映像を1台のサーバで処理できるようになる。
そのほか、保守サポート強化の一環として、サーバの保守契約を締結している顧客向けに「サーバ診断カルテ」の提供を開始する。定期的にサーバのログを収集してサーバの診断を行うもので、顧客自身で最新のシステム構成や稼働状況の把握が容易に行えるようにする。なお、対象となるのは今回発表した新モデルからで、今後の新製品にも対応していく。サーバ診断カルテは、保守サービス契約の「ExpressSupportPack G4」もしくは「ハードウェアメンテナンスサービス」に含まれ、追加料金なしで提供する。
2018年度以降、NECのエンジニアがリモートでトラブル解決などを行うリモード診断/運用を行ったり、AIを活用した分析で故障の予兆保守を行ったりするサービスも順次提供予定だ。
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