業務自動化を支援しているはずが、つながらないシステムを人力でつなぐ、「ゴリ押し」のような業務フローに苦しむ現場を増やしてしまっていた……? RPA導入の最前線で働くコンサルタントが、RPAで成功するための“リアルな話”をする連載が始まります。
突然ですが、読者の皆さんは「ロボット」と聞くと何を思い浮かべますか?
Pepper、C-3PO、ガンダム――それとも、最近ニュースでも取り上げられたBoston Dynamicsのロボットでしょうか。世代や趣味嗜好(しこう)によって、思い浮かべるロボットはさまざまだと思いますが、今回のお話は(残念ながら)そのような形のあるロボットではなく、無形のロボット「ソフトウェアロボット」についてです。
「ソフトウェアロボットって何? 面白いの?」と思われた方。ぜひぜひお付き合いください。これは、あなたやお客さまの仕事のスタイルが大きく変わるかもしれない話です。
「そんなのタイトル見たら分かるよ、RPAの話だろ?」と思った方。その通りです。これからお話しするのは「RPA」、つまりRobotic Process Automationについてです。世の中に広がり始めたばかりの技術なので、この連載を通じて、新しい発見をしていただければうれしい限りです。
さて、このソフトウェアロボット、RPAのお話をする前に、日々の皆さんの仕事を思い返してみてほしいのです。
皆さんは、オフィスに出社してまず何をしますか?
恐らくPCの電源を入れる人が多いと思います。その次は何でしょう。自分のIDでPCにログインして、メールを確認したり、Excelファイルを使って計算をしたり、Webブラウザを開いてオンラインのシステムにアクセスして、何かデータを閲覧(ダウンロード)したり、データを更新したりしているのではないでしょうか。
そんな「PCに向かって、何かのアプリケーションを立ち上げ、専門スキルを生かして指示された仕事を着々と片付ける」という方は、もしかしたら、その仕事の半分、あるいは大部分を「ソフトウェアロボット」が代わりに片付けてくれるかもしれません。
どうでしょう。ロボットがあなたの分身のように仕事をしてくれたら、あなたはその間、コーヒーを飲んでリラックスしたり、社内外の人とのコミュニケーションをしたり、なかなか忙しくて手が付けられなかった、やりたいことにもっと時間を使えるようになると思います。毎日忙しいあなたを作業から解放してくれる可能性を秘めているのが、ソフトウェアロボット、RPAと呼ばれるテクノロジーなのです。
忙しかった毎日が楽になる――RPAのメリットを聞かれたとき、働く人たちにとっては、これ以外の理由が必要でしょうか。もちろん、メリットや効果はいろいろあるのですが、この連載では、何より第一線で働く現場のホワイトカラーの方々を手助けするものとして、RPAで何ができるのか、どうやったら実現するのかというポイントを解説します。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.