なぜ、今「RPA」が必要とされているのか?【新連載】RPAで始める業務自動化のススメ(3/3 ページ)

» 2018年01月12日 08時00分 公開
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一連の業務を自動化できない「3つの理由」

 業務が複雑化した後で振り返ると、「なんで一連の流れをシステム化していないんだ」と思う方もいるかもしれません。しかし、決してシステムの設計がダメダメなわけではないと私は考えています。

 そう考える理由は3つあります。まずは「システムが全社横断的ではなく、部門別にサイロに構築されているケースが多い」こと。例えば、フォーマットが統一されていないだけでも、増加する工数はばかになりません。

 次に「システム化の要求があってから、システム化されるまでタイムラグがある」ことです。システム化されたときには、既に時代やビジネスの変化とのずれが生じていることも少なくありません。そして最後に、近年クラウド(IaaS/PaaS/SaaS)の台頭により、ユーザーがシステムを作る側から、使う側に徐々にシフトしていることです。

photo 業務の一連の流れが自動化できない「3つの理由」(筆者作成)

 これらの問題を解決するアプローチはさまざまなものがありますが、RPAはその中でも有望で、ユニークなアプローチの1つだと私は考えています。「人の作業をシステム化する」という従来の発想とは全く逆の、「人の作業が全てシステム化できないこと」を前提に、人の代わりをすることで解決しようとするアプローチだからです。

 次回は、“ロボットが人の代わりをする”ということがどういうことなのか、RPAの考え方を解説します。お楽しみに。

著者プロフィール:吉丸新一郎

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 KPMGコンサルティング株式会社 Digital Labor & Transformation シニアコンサルタント。RPA/AIを中核とするデジタルレイバー(仮想知的労働者)を活用してクライアントの業務改革を支援。

 製造業システム子会社でのデータセンター事業企画・運用、ベンチャー企業での新規事業開発および運用、外資系ソフトウェアメーカーのプロフェッショナルサービスを経て、メーカーとユーザー両方の視点を持つコンサルタントとして現業に従事、現在に至る。

 趣味は音楽鑑賞(ジャズやクラシック)や歌舞伎やオペラの観劇など。旅行が好きで、食べ歩きが得意ジャンル。

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