業務が複雑化した後で振り返ると、「なんで一連の流れをシステム化していないんだ」と思う方もいるかもしれません。しかし、決してシステムの設計がダメダメなわけではないと私は考えています。
そう考える理由は3つあります。まずは「システムが全社横断的ではなく、部門別にサイロに構築されているケースが多い」こと。例えば、フォーマットが統一されていないだけでも、増加する工数はばかになりません。
次に「システム化の要求があってから、システム化されるまでタイムラグがある」ことです。システム化されたときには、既に時代やビジネスの変化とのずれが生じていることも少なくありません。そして最後に、近年クラウド(IaaS/PaaS/SaaS)の台頭により、ユーザーがシステムを作る側から、使う側に徐々にシフトしていることです。
これらの問題を解決するアプローチはさまざまなものがありますが、RPAはその中でも有望で、ユニークなアプローチの1つだと私は考えています。「人の作業をシステム化する」という従来の発想とは全く逆の、「人の作業が全てシステム化できないこと」を前提に、人の代わりをすることで解決しようとするアプローチだからです。
次回は、“ロボットが人の代わりをする”ということがどういうことなのか、RPAの考え方を解説します。お楽しみに。
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