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» 2018年03月14日 16時30分 公開

日本初投入のChromebookでK12市場に挑戦するレノボの勝算

レノボが、日本国内で初めてChromebookを投入する。教育市場(K12)が対象のため、現時点でWebからの購入はできないが検討中だという。

[田中宏昌,ITmedia]

新たな選択肢としてChromebookを教育市場に投入

 2018年3月13日、レノボ・ジャパン(レノボ)が国内初となるChromebookの投入とその意図について説明会を開催した。2018年3月時点で、米国ではThinkPadやThinkPad Yoga、Flexといったブランドで複数のChromebookを展開しているが、今回日本で発表されたのは「Lenovo 500e」と「Lenovo 300e」の2モデルで、発売はいずれも5月以降の予定だ。現時点では販路が法人向け(教育市場向け)のみとなり、Webでの販売は検討中とのことだが、想定販売価格はLenovo 500eが5万8000円前後、Lenovo 300eが4万8000円前後(ともに税別)となっている。

photo 今回発表された「Lenovo 300e」と「Lenovo 500e」

 詳細なスペックは下記の通りだ。

製品名 Lenovo 500e Lenovo 300e
CPU Celeron N3450(1.1GHz〜2.2GHz) MediaTek 8173C(2.1GHz)
メモリ 4GB
ストレージ eMMC 32GB
液晶ディスプレイ 10点マルチタッチ対応11.6型IPS
画面解像度 1366×768ピクセル
GPU Intel HD Graphics 500 Imagination GX6250
ペン ○(EMR対応)
カメラ フロント/リア フロント
無線LAN IEEE802.11ac/a/b/g/n
Bluetooth Bluetooth 4.2 Bluetooth 4.0
インタフェース USB 3.0×2、USB Type-C×2、ヘッドフォン/マイク兼用端子(3.5mm)、Micro SDメモリカードスロット USB 3.0×1、USB Type-C×1、HDMI、ヘッドフォン/マイク兼用端子(3.5mm)、SDメモリカードスロット
ケンジントンロック
バッテリー容量 42Whr 45Whr
バッテリー駆動時間 後日発表
サイズ 290×204×20.35mm 292×204×21.2mm
重量 約1.35kg 約1.36kg
想定販売価格(税別) 5万8000円前後 4万8000円前後
発売時期 2018年5月以降

 同社では、Lenovo N24やLenovo 300e Windows、Miix 320といったWindows PCを教育市場向けにリリース済みだが、これからの普通教室に必要なPCの条件として、「1人1台に向けて配布可能なコスト感、毎日の利用を考えた堅牢(けんろう)性、先生が手軽に管理できる点が重要だ。なぜChromebookかというと、学びの場がWebベースになってきたこと、PCの起動時間が短くて済むこと、優れた管理ツールが用意されていること、セキュアなプラットフォームであることが大きい」(同社コマーシャル製品事業部 プロダクトマネージャー 元嶋亮太氏)

 今回投入されるChromebookは、両モデルとも2in1のコンバーチブル型でタッチ操作が可能なほか、「MIL-STD-810G」に準拠した耐衝撃性を備え、防滴キーボードの採用や学校の机を想定した高さ75cmからの落下テストもクリアしている。

photo Lenovo 500eのキーボード。上部にカメラを内蔵する。写真は米国モデルで、製品版ではキーボードが日本語化される
photo 本体に内蔵可能なEMRペンが付属する(Lenovo 500e)
photo Mediatech製のCPUを採用したLenovo 300e
photo Lenovo 500eと異なり、HDMI端子を装備する(Lenovo 300e)

児童や生徒に1人1台の普及を目指して

 発表会では、同社の教育市場開発担当である渡辺守氏が「小学校や中学校、そして高校の12年を合算したK12と呼ばれる教育ICT市場の現状を見ていくと、文部科学省から発表された教育用コンピューターは5.9人に1台だった、逆算すると、全体で約1200万人の児童がいる中で、PCが約200万台、そのうち約37万3000台がタブレットという計算になる。直近ではタブレットの伸び率が高くなっているが、ICT機器の割合としてはかなり少ないのが現状だ。同省は2020年代に1人1台の情報端末を活用した学習ができるよう、教育のICT化を推進している」と説明。

photo レノボ・ジャパン 教育市場開発担当 渡辺守氏

 なぜ、K12市場でICT機器の整備が進まないのだろうか。

 「小学校の事業参観に行って、自分が小学生の頃(20年〜30年前)と教室や授業風景が全く変わっていないということに違和感を覚えた。子どもたちは自宅でスマホやタブレットを活用しているのに、学校では黒板や教科書、プリントなどを使った昔と変わらないスタイルが見られるのが現状だ」とし、「課題としては、そもそもICT関連の予算がなく、先生方のスキルが足りずICTに懐疑的な現状があり、さらにICT機器のメンテナンスがおっくうという3つの要素がループ状になっていると考えられる。ところが、時代は大きく変わっており、子どもたちの未来は劇的に変化する中で、子どもたちが生き抜くには課題解決能力やICT活用能力、情報収集能力、コミュニケーション能力、企画発想力といった力が必要になるが、現状の教育では養えないものが多い」と渡辺氏が指摘する。

photo 時代が大きく変わる中で、子どもたちの未来も劇的に変化している
photo ICTの活用で授業の可能性が大きく広がる

 渡辺氏は「ICT機器が教室に入ることで、子供のペースで学習ができたり、プログラミング学習ができたり、デジタル教科書で荷物を減らせたりとさまざまな効果があり、普通教室のICT化は必須だと考えている。重要なポイントは、ICTコストの削減とメンテナンス性の容易さにあり、そのためにはハードウェアについて過剰だったスペックの見直しや、オンプレからの脱却が必要になる」とし、Chromebookなら資料作成に便利な「G Suite for Education」やデータを保管するGoogleドライブが教育機関では無償で使え、Webベースの管理ツール「Chrome Management Console」も提供されているとメリットを語った。

photo あるべき教育クラウドの全体像

 さらに「レノボとしては教育向けのクラウドと低価格なデバイスの提供を行っていく。理想とする教育クラウドは、いつでもどこでも誰もがアクセスできる環境であり、コンテンツやプログラムをシームレスに使えるのが理想だ。そこで、今回はその理想に近く、プラットフォーム利用料がかからないNTTコミュニケーションの『まなびポケット』と連携し、このソリューションとレノボのデバイスで教育市場にさまざまな提案を行っていく。優先順位は、国公立の小中高、次に私立の小中高と考えている」(渡辺氏)と抱負を語った。

photo NTTコミュニケーションズが提供する「まなびポケット」と連携するが、学校によっては「G Suite for Education」と組み合わせて提供するなど複数の選択肢が用意される

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