初代の発売から25年を迎えたThinkPadに、日本限定1000台の記念モデルが登場した。キーワードは「レトロ」だ。
1992年10月5日に発表されたIBMの「ThinkPad 700C」(日本国内では「PS/55note C52 486SLC」)から25年が経過した2017年10月5日、レノボ・ジャパンが記念モデル「ThinkPad Anniversary Edition 25」を正式公開した。発売は10月6日からで、価格は17万9500円(税別)、日本国内限定1000台の取り扱いとなる。
この25周年記念モデルは、2017年6月に米Lenovoの公式ブログのエントリー(Retro ThinkPad: It's Alive)に公表されていたもので、日本での正式名称はシンクパッドアニバーサリーエディションニジュウゴとなる。
記念モデルの特徴は、現行のThinkPadでは見られない、かつてのThinkPadシリーズに見られたギミックの復古にある。具体的には、トラックポイントを備えたバックライト付き7段配列のキーボード(94キー)を筆頭に、3色カラーのThinkPadロゴ、専用の音量ボタン、マルチステータスLEDランプの復活といった、「レトロ」な部分が挙げられる。
もちろん、PCのスペックは最新モデルらしく、CPUに第7世代のCore i7-7500U(2.7GHz/最大3.5GHz)、メモリは16GB(PC4-17000/空きスロット×1)、ストレージは512GBのNVMe SSDを採用する。
液晶ディスプレイは、1920×1080ピクセル表示に対応した14型IPSで、10点のマルチタッチをサポート。グラフィックスチップはNVIDIA GeForce 940MX(グラフィックスメモリは2GB)を搭載する。
インタフェースは、左側面にUSB 3.0とUSB 3.1(Thunderbolt 3)、右側面にSDXC対応SDメモリーカードスロット、1000BAST-T対応の有線LAN、USB 3.0×2、HDMI端子が用意される。通信機能はIEEE 802.11ac/a/b/g/n対応の無線LAN、Bluetooth 4.1のほか、NFCも内蔵する。
ボディサイズは336.6×232.5×19.95mmで、重量は約1.69kgとなる。3セルバッテリー(11.4V/1.95Ah)の駆動時間は約6.5時間(JEITA 2.0)、充電時間はパワーオフ時で約3.8時間、OSは64ビット版Windows 10 Proだ。
日本限定の仕様としては、前述の日本語配列キーボードの採用に加え、25周年ロゴ入りの東レ製ソフトインナーケースが付属する。またパッケージには、日本IBM〜レノボ・ジャパンの大和研究所でThinkPadの開発に携わってきた「ThinkPadの父」こと内藤在正氏のメッセージが書かれた感謝状や、Lenovo前チーフ・デザインオフィサーのデビット・ヒル氏によるブックレット、そして3つのTrackPointキャップ(クラシック、ソフトドーム、ソフトリム)が付属する。
25周年記念モデルはスペックが固定で、英語キーボードの選択などカスタマイズが行えないのは残念なところだが、2015年に全世界の販売台数が1億台を突破したThinkPad。2005年にIBMのPC事業はLenovoに買収され、大和事業所のThinkPad研究開発部門はレノボ・ジャパンに承継され、今ではLenovoのノートPC全般の研究開発拠点となっている。
デビット・ヒル氏が本モデルに寄せたコメントには「ThinkPadはシンプルさと機能性を重視した、独創的で本物のアイデアを体現しています。(中略)オリジナルの700Cが登場してから25年経っても、最新のX1 Carbonは一目でThinkPadとして認識して頂けます」と述べているように、これからも“最高のビジネスツール”として30年、40年と提供されていくのだろう。
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