レノボ・ジャパンは、ISV認証済みの超小型ワークステーションを発売。NVIDIA Quadro P600を搭載可能で、製造・建築分野の設計やデジタルコンテンツ制作など、幅広い用途に訴求していく。
レノボ・ジャパン(以下、レノボ)は7月20日、超小型ワークステーション「ThinkStation P320 Tiny」の国内販売を開始した。同社直販の最小構成価格は9万6000円(税別)から。
ThinkStation P320 Tinyは、容積が約1L(リットル)という小型ボディ(約182×179×34.5mm)に、第7世代/第6世代のIntel Core i7/i5/i3プロセッサと、Pascal世代のNVIDIA Quadro P600搭載グラフィックスカード(GDDR5 2GB)を選択できるのが特徴だ。これらを組み合わせることで、最大6画面の4K解像度の出力が可能になる。ISV認証取得のワークステーションPCとしては世界最小(同社調べ)をうたっている。
同日に行われた発表会で、同社ワークステーション製品事業本部 本部長 林淳二氏は「レノボでは2017年4月にワークステーション部門を独立させ、専任部隊をグローバルで作った。ただ、日本のワークステーション市場における当社のシェアは一桁台にとどまっており、競合他社と真正面から戦っても意味がない。そこで、ワークステーションを再定義し、IHVやISVなどのパートナーと協業してソリューションを展開していきたい」と抱負を語った。
ThinkStation P320 Tinyのスペックをまとめると、メモリ容量は最大32GB(DDR4 SODIMM)まで、ストレージは最大2TB(M.2 PCIe NVMeまたはSATA SSD、2.5インチHDD)まで内蔵できる。それぞれ2基ずつ備えるメモリ/M.2スロットには、底面のカバーをワンタッチで外すだけでアクセス可能だ。
インタフェースは前面に2基のUSB 3.0(うち1基はPowered USB対応)、背面に4基のUSB 3.0、2基のDisplayPortを装備。グラフィックスカードにQuadro P600を選択した場合、4基のMini DisplayPortが追加される。ネットワーク機能は、有線LAN(1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T)を1基備えるほか、オプションで無線LAN(IEEE802.11ac/a/b/g/n)とBluetooth 4.1も選べる。
さらに、温度、湿度、粉じん、振動など、過酷な環境での稼働をテストする米国防総省の物資調達基準(MIL-STD 810G)の10項目をクリアしており、堅牢(けんろう)性も重視した製品となっている。
同社では、ワークステーションが多く活用されている製造・建築分野での設計や、デジタルコンテンツ制作用途に加え、デジタルサイネージへの組み込み、工場でのFA制御など、従来の形態では活用が難しかった場面でも高いパフォーマンスを発揮するとし、幅広いシーンでの利用を見込む。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.