AWSのクラウドサービスが引き続き好調に推移している。ただ一方で、「AWSを使うとベンダーロックインされるのでは」という懸念の声も挙がっている。果たしてどうなのか。
Amazon Web Services(AWS)のクラウドサービスが好調に推移している。業績を見ると、2016年度(2016年1月〜12月)の売上高は前年度比55%増の122億2000万ドルで、営業利益も31億1000万ドルを確保。売上高1.5倍以上の成長ぶりもさることながら、売上高営業利益率25%以上と、クラウドサービスのビジネスモデルを確立したともいえる数字が、AWSのすごみを示している。
また、調査会社Canalysが先頃発表した世界のクラウドインフラ市場における2016年10月〜12月のシェアランキングでは、首位のAWSが33.8%を占め、4位までのMicrosoft、Google、IBMの3社のシェア合計30.8%を上回る結果となり、独走ぶりを改めて見せつけた。
まさに、「勢いとどまるところを知らず」といったAWSだが、一方で最近ユーザーの間から気になる声を聞くようになった。それは「AWSを使うとベンダーロックインされるのではないか」との懸念だ。果たしてどうなのか。
そんな折り、AWSの日本法人アマゾンウェブサービスジャパンが4月7日、最近のビジネス状況やパートナー戦略について記者説明会を開催。上記の質問を抱きながら参加した。
まずは、同社の今野芳弘パートナーアライアンス本部長が説明したAWSの最新状況を紹介しておこう。同氏によると、AWSのアクティブユーザー数は190カ国で数百万、日本で数万に上り、世界16地域で42のデータセンター群を運営し、2006年のビジネス開始以降59回の値下げを実施。2016年には1017の新サービスや新機能を発表したという。
また、AWSのサービス群は95以上(図1)。日本国内のAPN(AWSパートナーネットワーク)のパートナー数は2017年1月末時点で、SIerなどのコンサルティングパートナーが170社、ISVなどのテクノロジーパートナーが236社で合計406社になり、前年度から85社増加した。
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