もうすぐ梅雨の季節。「IoT/M2M展」には、センサーで洗濯物の乾き具合を把握する洗濯ばさみが展示されていた。「まだ乾いてない!」という浴室乾燥機でのありがちな悩みから解放される日も近いかも?
浴室乾燥機で洗濯物を干したのに生乾き。またやり直しか……。
読者の皆さんは、こんな経験をしたことはないだろうか。最近は、スマートスピーカーと家電をつなぐシステムが登場するなど、家の中のIoT化が徐々に進んできている中、東京ビッグサイトで開催中の展示会「IoT/M2M展」(2018年5月9〜11日)では、「洗濯物の乾き具合」に注目したIoTアイテムが展示されていた。
東芝情報システムが開発中の「乾送ミミダス」は、服の裾に付けて衣類の乾き具合を見える化するIoT洗濯ばさみだ。ウサギの顔を模した洗濯ばさみの上部に内蔵したセンサーで電気抵抗を測定し、衣類の繊維の中に残っている水分を推測。乾き具合をリアルタイムでアプリに表示する。また、水分量の推移を分析し、乾くまでの推定時間も表示してくれる。
雨の日などに活躍する浴室乾燥機だが、「タイマー通りに動かしたけど乾いていない」「服の上は乾いているけど、下は乾いていない」といったシーンも少なくない。今後、乾送ミミダスは浴室機器との連携機能も実装する予定で、「衣類が乾いたタイミングで乾燥機をオフにするといった操作も可能になる」(説明員)という。
乾送ミミダスの開発は2017年夏ごろから始まった。もともと東芝情報システムは、脱衣所から浴槽に入る際、急激な温度変化で血圧が変わって、心筋梗塞などを引き起こす恐れのある「ヒートショック」による事故を防ぐために、浴室や脱衣室に温湿度センサーを設置し、入浴時に事故が起こる可能性があるタイミングを家族などが把握できるサービスを展開していた。
しかし、浴槽のメーカーなどと意見を交換するうちに、浴室の「乾燥」にビジネスの可能性があることに気付く。その結果、浴室の乾燥度合いを把握する技術を応用した、乾送ミミダスが生まれた。
家事をすることが多い主婦が主なターゲットになることから、「挟むだけでデータをクラウドに飛ばせる、かわいいデザインが良いのではないか」とコンセプトを決め、なるべく操作は簡単にし、ウサギの耳で衣類を挟むというスタイルに至ったという。
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