「洗濯物が乾いた」を知らせてくれる 便利なIoT洗濯ばさみを東芝が開発中(2/2 ページ)

» 2018年05月11日 08時00分 公開
[鮭川武尊ITmedia]
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「家の中のIoT」における難しさ

 仕組みはシンプルではあるものの、開発には苦労した点もあった。通信と電波の問題だ。乾送ミミダスからクラウドへとデータを飛ばす方法として、SIMカードを差したゲートウェイを中間に置くことにしたが、センサー〜ゲートウェイ間で通信する手段が無線LANやBluetoothである場合、湿気などの水分で電波が弱くなってしまう。

 「ゲートウェイがそばにあればいいものの、他の用途でもゲートウェイを使おうとすると、設置場所が途端に難しくなる。家電のそばに置くと電波が干渉する恐れもある」(説明員)

 周波数の低い電波の方が、水分などの影響は受けにくいとのことだが、電波の規格がメジャーではなくなってしまうと、その規格でセンサーなどに実装するためのコストが増えてしまう。そのため、ひとまずセンサー〜ゲートウェイ間の通信にはBluetoothを使うことを考えつつ、さまざまな手法を検証中だ。家の中でIoTを活用しようと思えば、避けられない課題だろう。

photo 浴室と洗面所の温湿度測定を含めたデモの様子

 「IoTというと工場などの複雑な仕掛けをイメージしがち。家を新築するなら、その段階からシステムを組み込めるが、建築を終えた家ではそうはいかない。家庭内で簡単に取り付けられる製品で、お客さまの期待に応えていきたい」(説明員)

 乾送ミミダスは2018年度中の商品化を目指しているとのこと。身近で小さなIoTが、生活の小さな悩みを解決してくれる日は遠くなさそうだ。

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