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» 2018年05月22日 08時00分 公開

全国の100校以上が導入:紙の学生証はもう古い――無料の「学生証スマホアプリ」を新潟の中小企業が開発した理由

一般的にカードで発行する「学生証」を、学生のスマートフォンで提示できるモバイルアプリ「がプリ!」が、2017年秋の発表以来、全国100校以上に導入されている。特定の大学が自校の学生向けアプリに学生証を表示する例はあったが、全国の学校で自由に導入できる「学生証アプリ」は初めてだ。

[高木理紗,ITmedia]

 カードとして発行されるのが一般的な「学生証」を、学生のスマートフォンで提示でき、学校側からいつでも情報を更新できる――そんなモバイルアプリ「がプリ!」が、東京ビッグサイトで行われた「第9回 教育ITソリューション EXPO」(2018年5月16〜18日開催)で展示された。特定の大学が自校の学生向けアプリに学生証を表示する例はあったが、さまざまな学校が無料で導入できる「学生証アプリ」は初めてで、開発した新潟県の中小企業ジェイ・エス・エスは、「全国から反響を頂いている」(説明員)という。

画像 「がプリ!」で表示した学生証の例

 がプリ!は、導入した学校の学生が自分のスマートフォンで学生証を提示できるモバイルアプリ。学校側がジェイ・エス・エスが提供するクラウドサービスに学生情報を登録すると、学生は、自分のスマートフォンにアプリをダウンロードしてログインした際、学生証を表示できる。学生側は、スマートフォンの管理さえ徹底すれば、学生証を紛失するリスクを抑えられる。学校側は、カード式の学生証発行の手間やコストを解消できるだけでなく、学生の住所変更といった情報の更新、学生が卒業、退学した場合などの学生証の無効化などを、クラウド上から一括で実行できるのだ。

画像 学校側は、学生証に載せる情報を登録し、卒業や退学の場合はリストから削除できる

 同社は、新潟県で大学や専門学校などを運営する企業グループNSGの一社として、学校法人向けの業務システムやアプリケーションを手掛ける。同グループ傘下の学校では、これまで教務スタッフが毎年のように学生証の発行作業に追われていた。また、学生証を紛失してしまった場合、他人による悪用などのリスクを抱えてしまう点も課題になっていた。こうした状況を解消しようと、同社では、「紙の学生証はもう古い」という社員の声を受けて、さまざまな学校で使える学生証アプリの開発を決めたという。

画像 「第9回 教育 ITソリューション EXPO」の会場では、さまざまな学校関係者が「がプリ!」の展示ブースを訪れ、説明を聞いていた。

 同社は、2017年の5月からグループ傘下の学校で、がプリ!の試験運用を開始。さまざまな改良を重ね、2017年11月に正式リリースにこぎ着けた。現在、全国でグループ外の学校を含む109校が導入し、19万人が利用する。

 「実際に導入してみると、学生たちは特に抵抗なく使ってくれた。学校のスタッフ側の方が最初は戸惑っていたが、今は問題なく使いこなしている」(説明員)

 がプリ!は、学生証の機能が無料で、オプション機能が有料になっている。学校側が学生の人数に応じて有料プランを契約すれば、アプリ上で「学校と学生間のメッセージ機能」「授業登録」「出席登録」「災害発生時の安否確認」といった機能を使えるようになる。

画像 有料のオプション機能では、災害時に学校側がメッセージ機能を使って学生の安否確認を実行できる

 同社は今後、学生証の機能だけでなく、学校側と学生側のコミュニケーションツールとしての機能も拡充したい考えだ。

 「例えば、学生の卒業後、現アプリの学生証は無効になってしまうが、今後は、卒業生用の『卒業生証明書』機能を実現したい。また、入学前の学生にアプリをダウンロードしてもらい、入学準備の諸連絡に使ってもらうなど、在学期間を超えて、学校と学生のつながりを支えたい」(説明員)

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