Googleに学んだ「3か月サイクル」とは「3か月」の使い方で人生は変わる(2/2 ページ)

» 2018年07月12日 07時00分 公開
[佐々木大輔ITmedia]
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3カ月後に得た“嗅覚”と“信頼”

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 「この施策なら、もっとこうすれば次は絶対にうまくいく」というように、いろんなヒントが一気に得られたのだ。もし予算がそこまでなければ、きっと優先順位を決めて順番に施策を試していただろう。しかし、潤沢な予算をもって、いろんな施策を同時多発的に試すことができたので、言語化はできないけれど、どんな施策はうまくいき、どんな施策は簡単ではないということに関して短期間で嗅覚を持つことができた。

 そのおかげで、おそらく普通にやっていたら1年半ほどかかりそうなことも、Googleではわずか3カ月でできたのだ(もちろん、それだけ頑張らないといけないが)。

 ただ、Googleではそこで終わりではなく、自分たちが試してうまくいった施策は、他の国まで出掛けて行って「この施策、うまくいっているからやりなよ」と直接勧めて、いい施策であれば広めていくことまで期待されていた。積極的によい施策の宣伝を行うわけだ。

 Googleでの仕事は、「その人の信頼性」がものをいう。自分の信頼性が上がるほど、お金も人もついてくる。だから、成功事例はもったいぶらずに共有する。Googleでは仲間からの信用を広く獲得して、仕事がしやすいサイクルを生み出すことも学んだ。

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 それに、勧めた施策を仲間が試してみてうまくいった場合、「あいつの言っていることは本当だった」とさらに自分の信頼性が上がり、仕事がしやすくなる。3カ月で成果を出すための人の巻き込み方にも、Googleのダイナミズムを感じる日々であった。

 周りからどれだけ信頼を得られるかで、3カ月間で出せる成果は変わってくる。しかも、その結果次第で次の3カ月の成果も変わってくるのだ。

 3カ月ごとに分かりやすい結果を出し続ける。Googleの「3カ月サイクル」はシビアではあるけれど、スピード感があって面白く、ものすごい勢いで自分の成長を感じられるので、僕にとっては飽きることがない、新しい挑戦の連続だった。

●ポイント:

3カ月ごとに分かりやすい結果を出し続ける

著者プロフィール:佐々木大輔(ささき・だいすけ)

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freee(フリー)創業者・代表取締役CEO。1980年東京生まれ。一橋大学商学部卒。大学在学中に派遣留学生として、ストックホルム経済大学(スウェーデン)に在籍。また、インターンをしていたインターネットリサーチ会社のインタースコープ(現・マクロミル)では、データ集計システムやマーケティングリサーチ手法を開発。卒業後は、博報堂でマーケティングプランナーとしてクライアントへのマーケティング戦略の立案に従事する。その後、未公開株式投資ファーム・CLSAキャピタルパートナーズでの投資アナリストを経て、ALBERTの執行役員CFOに就任。2008年にGoogleに参画。日本におけるマーケティング戦略立案、Googleマップのパートナーシップ開発や、日本およびアジア・パシフィック地域における中小企業向けのマーケティングの統括などを担当。中小企業セグメントにおけるアジアでのGoogleのビジネスおよび組織の拡大を推進した。


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