メールサーバ(SendmailやPostfixなど)上に届いたメールは,ユーザーがパソコン上で見られるようメールソフト(OutlookやBekey!など)で受け取るのが一般的だ。このプロトコルにはPOP3(Post Office Protocol version 3)が使われており,POPサーバなどと呼ばれる。
POPサーバは,米QUALCOMMから無償配布されているqpopperがデファクトスタンダードだ。Sendmailを始め,Postfixで受け取ったメールであれば,標準設定のまま問題なくOutlookやBeckey!などのメールソフトから利用可能だ。ここでは,インストールから稼動するまでを解説していこう。
・米QUALCOMMサイト
ftp://ftp.qualcomm.com/eudora/servers/unix/popper/
$ tar zxfv qpopper4.0.3.tar.gz $ cd qpopper4.0.3 $ ./configure $ make $ cd popper # cp popper /usr/local/bin |
上記の手順を見れば,多少ほかのコンパイルからインストール手順とは異なることが分かるだろう。make installスクリプトが用意されていないため,上記のように自分で適所にコピーさせる必要がある。
さらに,qpopperはデーモンとして起動させるほどレスポンスを重要視しないため(メモリ消費節約からも)inetd経由でのアクセスに設定するのが好ましい。この場合,TCP Wrapperが関わるためアクセス制限ファイル「/etc/hosts.allow」と,サービス定義ファイル「/etc/inetd.conf」の2つを編集しよう。なお,xinetdで利用するためには「xinetd環境でqpopperを使いたい」Tipsを参考にしてほしい。
/etc/hosts.allow
# vi /etc/hosts.allow ALL: localhost 192.168.0. .zdnet.co.jp または個々のサービスごとに設定している場合には, pop3 : localhost 192.168.0. などと記述されていればよい。 |
# vi /etc/inetd.conf 〜前略〜 # Pop and imap mail services et al # #pop-2 stream tcp nowait root /usr/sbin/tcpd ipop2d pop3 stream tcp nowait root /usr/local/bin/popper popper -s 〜後略〜 # /etc/rc.d/init.d/inet restart ←設定反映のためinetdを忘れずに再起動させる |
念のため/etc/servicesファイルにpop-3の宣言があるかどうかも確認しておこう。ほとんどの場合,編集する必要はないはずだ。
# cat /etc/services 〜中略〜 pop-3 110/tcp # PostOffice V.3 〜中略〜 |
以上で動作環境が整った。受信可能かどうかはパソコン上から確認すればよいが,あらかじめサーバ上で問題がないことを確定しておきたい。次のように入力して確認すればよい。
$ telnet localhost 110 Trying 127.0.0.1... Connected to localhost.xxxxxxxx.jp. Escape character is '^]'. +OK Qpopper (version 4.0.3) at speed-ps starting. user ykida ←ユーザー名「ykida」の場合 +OK Password required for ykida. pass hogehoge +OK ykida has 0 visible messages (0 hidden) in 0 octets. quit ←終了するにはquitと入力する +OK Pop server at speed-ps signing off. Connection closed by foreign host. $ |
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