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» 2001年08月01日 00時00分 UPDATE

POPサーバでメールソフトから受信〜qpopperインストール〜

[木田佳克,ITmedia]

 メールサーバ(SendmailやPostfixなど)上に届いたメールは,ユーザーがパソコン上で見られるようメールソフト(OutlookやBekey!など)で受け取るのが一般的だ。このプロトコルにはPOP3(Post Office Protocol version 3)が使われており,POPサーバなどと呼ばれる。

 POPサーバは,米QUALCOMMから無償配布されているqpopperがデファクトスタンダードだ。Sendmailを始め,Postfixで受け取ったメールであれば,標準設定のまま問題なくOutlookやBeckey!などのメールソフトから利用可能だ。ここでは,インストールから稼動するまでを解説していこう。

・米QUALCOMMサイト
ftp://ftp.qualcomm.com/eudora/servers/unix/popper/

$ tar zxfv qpopper4.0.3.tar.gz
$ cd qpopper4.0.3
$ ./configure
$ make
$ cd popper
# cp popper /usr/local/bin

 上記の手順を見れば,多少ほかのコンパイルからインストール手順とは異なることが分かるだろう。make installスクリプトが用意されていないため,上記のように自分で適所にコピーさせる必要がある。

 さらに,qpopperはデーモンとして起動させるほどレスポンスを重要視しないため(メモリ消費節約からも)inetd経由でのアクセスに設定するのが好ましい。この場合,TCP Wrapperが関わるためアクセス制限ファイル「/etc/hosts.allow」と,サービス定義ファイル「/etc/inetd.conf」の2つを編集しよう。なお,xinetdで利用するためには「xinetd環境でqpopperを使いたい」Tipsを参考にしてほしい。

/etc/hosts.allow
# vi /etc/hosts.allow

ALL: localhost 192.168.0. .zdnet.co.jp

または個々のサービスごとに設定している場合には,

pop3 : localhost 192.168.0.

などと記述されていればよい。

/etc/inetd.conf
# vi /etc/inetd.conf

〜前略〜

# Pop and imap mail services et al
#
#pop-2 stream tcp nowait root /usr/sbin/tcpd ipop2d
pop3 stream tcp nowait root /usr/local/bin/popper popper -s

〜後略〜

# /etc/rc.d/init.d/inet restart ←設定反映のためinetdを忘れずに再起動させる

 念のため/etc/servicesファイルにpop-3の宣言があるかどうかも確認しておこう。ほとんどの場合,編集する必要はないはずだ。

# cat /etc/services
〜中略〜

pop-3    110/tcp  # PostOffice V.3

〜中略〜

 以上で動作環境が整った。受信可能かどうかはパソコン上から確認すればよいが,あらかじめサーバ上で問題がないことを確定しておきたい。次のように入力して確認すればよい。

$ telnet localhost 110
Trying 127.0.0.1...
Connected to localhost.xxxxxxxx.jp.
Escape character is '^]'.
+OK Qpopper (version 4.0.3) at speed-ps starting.
user ykida  ←ユーザー名「ykida」の場合
+OK Password required for ykida.
pass hogehoge
+OK ykida has 0 visible messages (0 hidden) in 0 octets.

quit  ←終了するにはquitと入力する
+OK Pop server at speed-ps signing off.
Connection closed by foreign host.
$

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