2002年4月3日現在,1.0のリリースがカウントダウンとなっているMozilla(注:4月18日にRC1が公開された)。これを機にアップグレードをしたいと考えている人は多いはずだ。しかし,RPMパッケージで旧バージョンがインストールされている場合には,依存関係の問題から多少のコツが必要となる。ここでは,その方法を解説しよう。全体の大まかな流れは1〜4の通りだ。
1. RPMパッケージでMozillaがインストールされていればアンインストール。
2. 必要であればGaleonをゲット。
3. src.rpm形式のMozillaをダウンロードしてリビルド。
4. 日本語パッチを当てる場合は,Mozillaを起動して「もじら組」サイトにアクセスしてオンラインパッチ。
i686に最適化してリビルドしたMozilla。英語メニューだが日本語パッチで変更可能だ
Red Hat Linux 7.2では,次のように0.9.2.1-2がRPMパッケージで用意されている。すでにインストールされているかは,次のように指定して確認すればよい。
# rpm -qa|grep mozilla nautilus-mozilla-1.0.4-43 mozilla-mail-0.9.2.1-2 mozilla-0.9.2.1-2 kdebindings-kmozilla-2.2.2-1 mozilla-psm-0.9.2.1-2 |
mozillaのアップグレードには,上記のパッケージをいったんアンインストールしよう。次のように指定すればよい。
# rpm -e mozilla-mail-0.9.2.1-2 mozilla-0.9.2.1-2 mozilla-psm-0.9.2.1-2 nautilus -mozilla-1.0.4-43 kdebindings-kmozilla-2.2.2-1 エラー: これらのパッケージを削除すると依存性を破壊します: mozilla = 0.9.2.1は galeon-0.11.3-2 に必要とされています libgtkembedmoz.so は galeon-0.11.3-2 に必要とされています libgtksuperwin.so は galeon-0.11.3-2 に必要とされています libnspr4.so は galeon-0.11.3-2 に必要とされています libplc4.so は galeon-0.11.3-2 に必要とされています libplds4.so は galeon-0.11.3-2 に必要とされています libxpcom.so は galeon-0.11.3-2 に必要とされています nautilus-mozillaは nautilus-1.0.4-43 に必要とされています |
しかし素直に指定してみると,上記のように依存関係からアンインストールができない。そこで,いったんGaleonとNautilusパッケージを削除してからmozillaをアップデートする必要がある。Galeonは,Mozillaに依存しながらも軽量さが特徴のブラウザだ。必要であれば,後で再インストールしよう。
# rpm -e galeon-0.11.3-2 # rpm -e mozilla-mail-0.9.2.1-2 mozilla-0.9.2.1-2 mozilla-psm-0.9.2.1-2 nautilus-mozilla-1.0.4-43 kdebindings-kmozilla-2.2.2-1 nautilus-1.0.4-43 これでアンインストールされた。次のように確認してみよう。 # rpm -qa|grep mozilla # |
Galeonは,次のサイトから最新版を入手できる。2002年4月3日現在は1.2.0が最新版だが,後述するMozilla0.9.8と併用するためには1.0.3をダウンロードする。
http://galeon.sourceforge.net/
# wget http://prdownloads.sourceforge.net/galeon/galeon-1.0.3-2.i386.rpm # rpm -ivh galeon-1.0.3-2.i386.rpm |
Mozilla本体は,mozilla.orgサイトを通してダウンロードしよう。
http://www.mozilla.org/releases/
2002年4月3日現在は,1.0リリース直前の0.9.9が最新版となっている。メニューなどが英語表示のままでよければこのバージョンでもよい。しかし日本語表示にさせたい場合には,後述する「もじら組」サイトで0.9.8パッチが最新版のため,該当するバージョンをダウンロードする必要がある。ここではパッチを当てることを前提としたため,0.9.8をダウンロードしている例だ。
# wget http://ftp.mozilla.org/pub/mozilla/releases/ mozilla0.9.8/Red_Hat_7x_RPMS/SRPMS/mozilla-0.9.8-0.src.rpm # rpm --rebuild --target i686 mozilla-0.9.8-0.src.rpm |
リビルドにはCeleron/850MHzで2時間半以上を要した。終了すると,/usr/src/redhat/RPMS/i686/ディレクトリにRPMパッケージが生成されるので,次のようにインストールしよう。
# rpm -ivh /usr/src/redhat/RPMS/i686/mozilla* |
Mozillaを起動して(アイコンをクリックするかコマンドラインで「mozilla」と入力)「もじら組」サイトからパッチへアクセスしよう。ページを表示させてリンクをクリックすれば,次のようにパッチを当てることが可能だ。画面に沿って手順を追っていけばよい。
Mozillaの日本語パッチを公開してくれている「もじら組」サイト。左メニューのProjectから「Mozilla 日本語パック」をたどる
前述したように,4月3日現在は0.9.8向けの日本語パッチが最新
ページにコメントされているように「install その1」か「install その2」のリンクをクリックしよう
ダウンロードをせずにオンラインでパッチが適用できる
この表示が現れたらMozillaを再起動させる
再起動させたら,「View」→「Language and Web Content」メニューの「Japanese(Japan)」を選択する
ダイアログ表示の通り再びMozillaを再起動させる
このようにメニューなどが日本語化される
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