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» 2005年04月20日 12時00分 UPDATE

SAP R/3バージョンアップ方法論(2):なぜ、R/3との連携ではアドオンばかり増えるのか? (1/4)

前回では「ERPパッケージを使わない」と判断する大切さや、システム間連携によるシステムの最適化が重要であることを述べた。今回はシステム間連携の現状や課題、R/3とそのほかのシステムの連携に関する具体的な方法などを紹介する。

[斎藤 滋春,エス・アイ・サービス]

 前回は、「ERPパッケージを正しく使用(導入開発、運用)するために、ERPパッケージを使わない」と判断することの必要性や、システム間連携によるシステム最適化の重要性について提案した。今回は、システム間連携の現状とその課題、およびR/3とシステム間連携の具体的な方法を提案していく。

NetWeaverの下に、変わってきたSAP

 SAPは現在、NetWeaverというコンセプトの下に、それまでのERPパッケージ(SAP R/3)を中心としたシステムアーキテクチャの考え方から、アプリケーション統合によるシステムアーキテクチャの考え方に移行している。具体的には、2004年辺りからソフトウェアとして、「SAP Business Intelligence」「SAP Enterprise Portal」「SAP Exchange Infrastructure」「SAP Master Data Management」「SAP Web Application Server」といったコンポーネントをリリースしてきている。

 また、それより以前から拡張コンポーネントとして「mySAP Supplier Relationship Management」「mySAP Supply Chain Management」「mySAP Customer Relationship Management」などをリリースしており、それまでR/3でカバーしていた購買管理や販売管理などの機能を外出しするようになってきた。それぞれの詳細について論じることはこの連載の本意ではないので、各コンポーネントについて詳しく知りたい場合には、SAPジャパンに問い合わせていただきたい。

 ここで重要なことは“SAP自らがERPにとらわれないソリューションを提供している”ということである。さらに、SAPには1996年よりソフトウェア・パートナー・プログラムという外部ソフトウェアの認定制度がある。この制度は、導入企業がSAP製品の提供していない機能を求めた場合、“外部のソリューションとのインターフェイスをSAPが保証する”という形で提供していた。

 このソフトウェア・パートナー・プログラムでは、SAP標準インターフェイスに基づくインテグレーション・シナリオが約90種用意されており(SAPが定義しないシナリオによる認定方法も存在するが、本文ではSAP標準インターフェイスを適用した認定を前提として論じる)、認定を取得した製品はSAPシステムとの接続における親和性について、SAPから保証されるのだ。日本において、使用できる認定ソフトウェアの数は110種類以上に達している。

なぜかアドオンを使いたがる、SAPやシステムインテグレータ

 ところが、このような認定制度や認定製品があるにもかかわらず、「一部の特定製品以外は、SAPやシステムインテグレータから提案されなかった」や「提案されて導入しているとしても、認定されているインターフェイス技術ではなく、アドオンプログラムによる接続がされている」といったケースが非常に多いのが現実である。

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 ジョブ管理やアーカイブなどのシステム管理系ソフトウェア、EDIサブシステム、帳票システム分野のソフトウェアについては、SAPシステム導入当初から、一緒に導入を検討するケースが多いようである。しかし、そのほかの分野のソフトウェアについては、情報の提供さえもされていないケースが多い。

 また、ある分野のソフトウェアについては、SAPが提供している製品の分野が、ERPだけでなくBISCMCRMEAIなどと広がってきたことによって、過去では協業関係であったのに現在では競合関係になってしまい、情報提供がされていないものもある。SAPが「自社製品で」と提案するのはしょうがないとしても、システムインテグレータから提案しないのは、システムインテグレータの知識不足か、もしくは怠慢でしかない。導入企業からすると、複数のオプションを提示されなければ検討もできないわけであり、提案をうのみにするしかない。

 さらに、認定製品を導入しているにもかかわらず、アドオンプログラムによってSAPシステムと接続しているケースも少なくない。この現象については、システムインテグレータだけでなく、製品ベンダ側(特に外資系ソフトウェアベンダに見られるケース)に問題があるケースが多い。この事実は、認定製品ベンダやSAPが接続方式にかかわらずSAP導入企業に対する製品導入実績としてカウントすることが多いために、その製品の導入を検討する企業に対して虚偽の信頼を与えることになってしまう。

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