TPM(てぃーぴーえむ)情報システム用語事典

total productive maintenance / 全員参加の生産保全 / 総合生産保全

» 2005年10月26日 00時00分 公開
[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 主に製造業において導入されている全社的設備管理手法で、(生産)設備システムのライフサイクル全体を対象に、生産効率を阻害するロスの発生を未然防止することを目指して、人・設備・企業の体質改善を図る総合的活動をいう。

 日本プラントメンテナンス協会が提唱する日本生まれの方法論で、同協会の登録商標である。日本プラントメンテナンス協会では、次のように定義している。

生産システム効率化の極限追求(総合的効率化)をする企業体質づくりを目標にして、生産システムのライフサイクル全体を対象とした“災害ゼロ・不良ゼロ・故障ゼロ”など、あらゆるロスを未然防止する仕組みを現場現物で構築し、生産部門をはじめ、開発、営業、管理などのあらゆる部門にわたって、トップから第一線従業員にいたるまで全員が参加し、重複小集団活動により、ロス・ゼロを達成すること

 TPMは、米国の生産保全(PM:productive maintenance)をベースに全員参加型に展開したもので、特定部門(設備管理部門など)だけではなく、トップが主導し、現場作業者(機械オペレータなど)が自主的・自律的に7大ロス(※)を予防的・定期的に取り除く活動である。各職制・階層ごとにQC活動に似た重複小集団を編成して清掃・点検・復元・改善・維持などの諸活動を行っていく。

故障ロス、段取り・調整ロス、消耗品交換ロス、立ち上がりロス、チョコ停・空転ロス、速度低下ロス、不良・手直しロス

 1971年に提唱された当初、TPMは“生産現場全体”の活動だったが、次第に適用範囲が広がり、日本プラントメンテナンス協会の定義にも1989年版から上述のように「あらゆる部門」という語が入るようになった。

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