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» 2006年02月21日 12時00分 UPDATE

システム部門Q&A(30):オープン化とERP導入は今年中に終わらせよう! (1/2)

長年にわたってオフコンを使っている企業では、オープン系への移行とERPパッケージの導入を同時に進めようと考えるケースも多い。将来的にはオープン系への移行が必要であることからも、早めに検討したいユーザーも多いだろう。今回は、オープン系への移行とERPパッケージ導入を同時に進めるときの留意事項を考える。

[木暮 仁,@IT]

質問

オフコンからオープン系への移行と、ERPパッケージの導入を同時に進めるときの注意点を教えてください

第29回の「中小企業がERPパッケージを成功させるには?」に関連する質問です。当社では20年以上の情報化の歴史があり、現在のオフコンを使い始めて7年になります。西暦2000年問題の際に、オープン系への移行とERPパッケージの導入を検討したのですが、時間的にも費用的にも困難でしたので、その場しのぎの緊急的な対策をするだけで終わりました。その際、移行用に設置したオフコンにリプレイスして現在に至っています。2年前にはリースが切れ、再リースで利用しているのが現状です。

最近、懸案だったオープン系への移行とERPパッケージ導入の話が再燃してきました。これらを同時に進めるときの留意事項を教えてください。


意見

 ご質問のように、オフコンからオープン系への移行と、ERPパッケージの導入が同時に検討されることが多くあります。

 単に現状のアプリケーションをオープン系に移植するだけでも相当な費用が掛かるので、「それならばERPパッケージにしたらどうか?」ということになります。これを「プラットフォーム事情型」としましょう。逆に、ERPパッケージを導入するにはオープン系への移行が必要なので、オフコンや主要ソフトウェアのサポート切れ、リース切れを機会に行おうというのを、「アプリケーション事情型」としましょう。その両方が同時に起こっている場合もあるでしょう。

 いずれにせよ、適切な対応だといえます。現行のシステムに詳しいベテランが定年退職になる2007年問題もあり、そのスキル移転の観点からも、いまのうちに移行するのが適切でしょう。



よくある反対意見への対処方法

 オープン系への移行とERPパッケージの導入が適切だとしても、現実にはいろいろな反対意見もあります。一般論はこれまでにも触れてきましたので、今回はご質問に関係する事項に絞ります。

プラットフォーム事情型

○コスト問題はタイミング問題

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 よく「オフコンよりもオープン系の方が安価だ」といわれます。ところが、再リースになっている場合には、少なくともハードウェアの費用は、新規にオープン系にするときよりも安いでしょう。それが移行に踏み切れない理由になります。


 しかし、これにこだわると永久に移行できないことになります。一般的に、ハードウェアはオフコンよりもオープン系の方が安価ですし、フリーソフトウェアの利用を考えればなおさらです。さらに、世の中の動向からも、いつかはオープン系に移行するのが必然でしょう。

 移行による一時的なコストアップは、いつかは必ず発生するのです。ですから、コスト問題は、早急に移行するのか数年後に行うのかという“タイミングの問題”だと認識することが大切です。

○時間的余裕を持て

 オープン系への移行と、ERPパッケージ導入の両方を効果的に実現するためには、先行して解決しておかなければならない課題が多くあります。それが不十分だと、形式的には実現できたものの、肝心の目的が達成されない危険が生じます(これに関しては、これまでにも繰り返し述べてきたので省略します)。

 ですから、ハードウェアあるいは主要なソフトウェアのサポートが打ち切られる直前になって、慌てて検討するのでは遅過ぎます。タイミングの問題だというのは、かなり以前から検討を開始して、必要な環境を整備し、その整備状況を見て判断せよということでもあります。

アプリケーション事情型

○ERPパッケージは業務改革専用ではない

 「ERPパッケージは業務改革のインフラである」とか、「ERPパッケージを導入しても業務の抜本的革新ができないのでは本末転倒だ」といわれます。これは、ERPパッケージ導入の基本であり正しいのですが、あまりにも改革にこだわると、ERPパッケージ導入の敷居が高くなってしまいます。

 経営やITに関する成熟度が低い中小企業では、業務「改革」のレベルを下げた方が、ERPパッケージを導入して効果を上げるのに適切なこともあるのです。

 中小企業における情報化では、個々のシステムはそれなりに効果を上げているとしても、全体として効果が得られていないことが多く見られます。例えば、入出荷データ入力から在庫把握までの事務処理業務は省力化できているのですが、肝心の実在庫との違いがあるとか、二重引き当てになっているなどのトラブルを抱えています。

 これは、受注から出荷までの全プロセスが一気通貫なシステムになっていないからです。これはオフコンが原因だとはいえませんが、これまでオフコン環境で長く情報化を進めてきた中小企業ではよくあるケースです。

 このような状況を解決する「改善」レベルを、業務「改革」であると考えましょう。情報システムとして当然の機能を発揮させるためにERPパッケージを導入するのだとすれば、ERPパッケージ導入の敷居が低くなるでしょうし、成熟度が低い状況ではこの程度でも大きな効果といえるのではないでしょうか。その成功をバネにして、高度な「改革」へ進めることもできます。

○情報検索系システムを重視せよ

 情報システム部門に対して、「自分の欲しい情報が得られない」や「頼んでもいつになってもやってくれない」という批判がよくあります。これを解決するには、販売システムや会計システムなどの基幹業務系システムで収集・蓄積したデータを、エンドユーザーが任意の切り口で検索加工する情報検索系システムの普及が効果的です。このポイントについては、これまでにも繰り返し述べてきました。

 情報検索系システムはオフコン環境でも利用可能でしょうが、オープン系の方がエンドユーザーに使いやすいツールが豊富にあるので、これから情報検索系システムを展開するのであれば、オープン系への移行は不可欠だといえます。

 また、情報検索系システムの普及により、基幹業務系システムの規模を小さくできることについても以前に述べました(第16回)が、オープン系への移行やERPパッケージ導入を円滑にするには、基幹業務系システムを小規模に簡素化することが効果的です。

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