リーン・シックスシグマ(りーん・しっくすしぐま)情報マネジメント用語辞典

LSS / lean six sigma

» 2007年06月18日 00時00分 公開
[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 ムダを排除して業務効率の向上を図るリーン生産方式と、作業のバラツキを制御して高品質なビジネスプロセスの確立を目指すシックスシグマを組み合わせたマネジメント手法。リーンシグマともいう。

 シックスシグマが“欠陥の最小化”――すなわち行うべきことを正しく、高品質に実践することに焦点を当てているのに対して、リーンは“無駄の最小化”――行う必要のないことを発見し、仕事を改善するというアプローチを取る。この相互補完的な2つの手法を組み合わせたものが、リーン・シックスシグマである。ただし、現状ではまだ方法論というほどには体系化されておらず、業務改善の課題ごとに各手法を使い分けるといったやり方を指しているようである。

 リーン・シックスシグマを生み出したのは、GE(ゼネラル・エレックトリック)と考えられる。2001年にGEの会長兼CEOに就任したジェフリー・イメルト(Jeffrey R. Immelt)はいくつかの改革を断行したが、その中にトヨタ生産方式の導入があった。

 GEは従来からシックスシグマを実施しており、これにトヨタ生産方式を結合することに取り組んだ。GEではトヨタ生産システムを“リーン”と呼んだことから、新たなハイブリッド手法は、リーン・シックスシグマと呼称されるようになったようだ。

 GEのリーン・シックスシグマは、次のような原則に基づく。

  • 顧客が求める製品・サービスの価値を定める
  • すべての活動において価値流れ図を作成する
  • サプライヤから顧客まで、製品・サービスおよびそれに関連する知識の流れを確立する
  • 継続的にプロセスを改善する

 GEでは製造部門だけではなく、事務プロセスの改善や資本効率の見直しなどにもリーン・シックスシグマを適用し、効果を示している。そのため、かつてジャック・ウェルチ(John F. Welch, Jr.)時代にGEに倣ってシックスシグマを導入した企業が、リーン・シックスシグマへの傾斜を深めており、北米を中心に広がりを見せている。

参考文献

▼『リーンシグマ経営――デマンド・エコノミー時代の物づくり革命』 アナンド・シャーマ、パトリシア・E・ムーディー=著/青木保彦=監訳/安藤紫、伊藤充利=訳/ダイヤモンド社/2003年2月(『The Perfect Engine: Driving Manufacturing Breakthroughs with the Global Production System』の邦訳)


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