ITILが改版され、「ITIL Version 3」として登場した。しかしITIL Version 3とはそもそも何なのだろうか。OSのバージョンアップと同様に考えることは適当なのか。ITIL Version 2にはもう意味がないのか。企業や組織がITIL Version 3から学べることは何なのか。ITIL Version 3とは果たして必要なものなのだろうか。2回に分け、インタビューを交えてITIL Version 3の意義を探る。
英国商務局が、ITサービス運用のあるべき姿をベストプラクティスとして示したITIL。大手企業の情報システム部門や情報システムサービス会社を中心に、これを取り入れようという動きが進んできた。このITILが、時代の変化に合わせて改版され、「ITIL Version 3」(「IT Refresh」とも呼ばれる)として2007年5月から提供されている。
ITILは書籍の形で提供されてきた。ITIL Version 2とITIL Version 3は、まずこの書籍の数と構成に明らかな違いがある。これまでのITIL Version 2では、「Service Support」「Service Delivery」の2冊が最も重要とされてきたが、ITIL Version 3では以下の5冊がすべて不可欠なものとして位置付けられている。
ITIL Version 2とITIL Version 3の内容面での大まかな違いは、例えば次のような点にあるとされている。
ITIL Version 3とはそもそも何なのだろうか。OSのバージョンアップと同様に考えることは適当なのか。ITIL Version 2にはもう意味がないのか。企業や組織がITIL Version 3から学べることは何なのか。ITIL Version 3とは果たして必要なものなのだろうか。
ここでは2回に分けて、ITIL Version 3に関係した2人へのインタビューを中心に、ITIL Version 3について考える。質問に答えてくれたのは、ITIL Version 3の「Service Strategy」の共同著者であるアクセンチュアのパートナー、マイケル・ニーヴス(Michael Nieves)氏とBMCソフトウェアのグローバル・ベスト・プラクティス・ディレクターであるケン・タービット(Ken Turbitt)氏。ニーヴス氏はアクセンチュアで、さまざまな業界の顧客企業に対し、ITを基礎とした企業戦略やベスト・プラクティスの実践を推進するチームを統括してきたという。タービット氏はISEB認定ITILマネージャーおよびガートナー認定TCOコンサルタントで、英情報システムマネジメント協会外郭スペシャル・インタレスト・グループの創設メンバーでもあるという。
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